ビジネスシーンではスマホだけでなく、ノートPCやタブレットなどを複数台使って通信をすることもある。そんなときはSIMフリーのモバイルWi-Fiルータに格安SIMカードを差して使ってみよう。
月額1000円以下でLTEが使える格安SIMを試す本企画。今回はスマートフォンだけでなく、モバイルWi-Fiルータで格安SIMを使ってみる。
最近はWi-Fi接続に対応する機器が増えた。スマホだけでなく、ノートPCやタブレット、携帯ゲーム機、電子書籍端末などを外出先で使う人もいるだろう。そんなときに便利なのがモバイルWi-Fiルータだ。
外出先でWi-Fiとなると、一般的にはコンビニや駅など、Wi-Fiスポットがある場所でしか接続できないが、モバイルWi-Fiルータを使えば、各携帯キャリアが提供する通信網を利用できるので、基本的にはいつでも通信が可能だ。スマホをモバイルWi-Fiルータのように使う「テザリング」機能で事足りるという人もいるだろうが、テザリング機能を使うとスマホの電池が減りやすくなる。
モバイルWi-Fiルータの多くは、あらかじめ挿入してあるSIMカードしか使えないが、最近はSIMフリーの製品も販売されている。例えばスマホとは別に、ルータ用の格安SIMを購入して挿すのも手だ。比較的安価で使えるため、これまで「ルータとスマホの2台持ちは月額料金が高くなるし……」とためらっていた人も導入しやすい。
今回はSIMフリーのモバイルWi-Fiルータ「b-mobile4G WiFi3」(日本通信、実売価格2万4900円)に格安SIMの「U-mobile*d」(1Gバイトまでなら月680円/税抜き)を挿して使ってみた。
「b-mobile4G WiFi3」にSIMカードを挿す場合、本体裏のカバーとバッテリーを外し、microSIMカードを挿す。今のところ、日本で発売されているほとんどの格安SIMは、ドコモの回線を借り受けたものであるため、ドコモの端末ならば、どの格安SIMを挿してもOKだ(2014年2月10日現在)。また、SIMカードを契約するときはカードのサイズが合っているか必ず確かめよう。
なお「b-mobile4G WiFi3」は日本通信の格安SIMとのセットモデルもある。別の格安SIMを持っている場合は、ルータを単体で買えばよい。どちらもオンラインショップや家電量販店で購入できる。
SIMカードを挿入したら、電源を入れてWi-Fi対応機器で接続する。初期状態のアクセスポイント名(「b-mobile4G WiFi3」から始まる文字列)を選択しよう。パスワードは不要だ。しかし接続してもまだ使えない。連載の第2回でスマートフォンの初期設定を行ったときと同様に、APN(アクセス・ポイント・ネーム)を設定する必要がある。
また、初期設定の際にルータのパスワードを設定しておこう。パスワードがないと、誰でも接続できてしまい、セキュリティ面で問題があるうえ、格安SIMの貴重な通信量を他人に消費されてしまう可能性がある。初期設定が終了したら、ノートPCやタブレット、スマホなど複数の機器を接続してみよう。「b-mobile4G WiFi3」は最大10台まで接続可能だ。
格安SIMカードをモバイルWi-Fiルータで使う場合、複数の機器を接続するうえ、ノートPCやタブレットはスマホ以上に通信量を消費する。月額1000円以下で使う場合、1Gバイトと通信量が限られているため、あまり“ヘビー”な使い方をしない方がいいのだが、今回は筆者の普段通りの使い方で通信量をチェックしてみた。
接続した機器はノートPC、タブレット、スマホの3台。それぞれWebブラウザやメール、Twitterを利用シーンに応じて使い、タブレットではストリーミング動画を1時間ほど視聴した。通信量は「U-mobile*d」のマイページ(Webブラウザで開く)でチェックした。
その結果「b-mobile4G WiFi3」は約6時間でバッテリーがなくなったが、その間のデータ通信量は528.4Mバイトとなった。Wi-Fiスポットに接続している感覚で使うと一気に通信量が増す。これでは1日や2日で1Gバイトの制限を突破してしまうので(3Gバイトまでで1980円/税抜きという料金体系に移行する)、本当に必要な通信以外はしないほうがいい。
だが、スマホのバッテリーが切れてテザリングが使えない、というようなときでもノートPCなどをWebに接続できるのは便利だ。出張時にモバイルWi-Fiルータをたまに使いたい――そんな人のニーズには十分応えられるだろう。
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