スマホにしてから月額料金が割高になった気がするとしたら、それはフィーチャーフォンと比べて通話料金が高いからかも。通話が多いビジネスパーソンにとって、お得になる料金プランはあるか?
月額2700円で国内の通話がほぼすべて無料に――。NTTドコモが6月1日から開始した通話定額プランが注目を集めている。NTTドコモの大胆な手にソフトバンクも追随し、auも新料金プランを発表するのではと噂されている。
通話料金無料、パケット通信の“シェア”、長期契約者の優遇など、ケータイ会社の料金プランにこれまでにない大きな変化が起こっているが、こうした各社の施策はどんな使い方のユーザーにどんなメリットをもたらすのか。各社の動向を確認しよう。
格安SIMサービス事業者が低価格なパケット定額を主流にしているのに対して、大手ケータイ会社は国内向けの通話し放題プランを打ち出している。まず、2014年6月1日にNTTドコモが「カケホーダイ」(月額2700円)で先陣を切り、7月1日にはソフトバンクが「通話し放題」(月額2700円)で追いかける展開だ。
以下にスマートフォンの旧プランと新プランなど各社の主な通話向け料金プランを比較した。通話が少ない人は高く感じるかもしれないが、通話し放題にメリットを感じる人にとってはお得な料金体系だ。
ドコモ新プラン | ドコモ旧プラン | ソフトバンク新プラン | ソフトバンク旧プラン | au | ウィルコム | イー・モバイル | |
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プラン名 | カケホーダイ(定期契約) | タイプXiにねん+Xiカケ・ホーダイ | 通話し放題 | ホワイトプラン+Wホワイト | LTEプラン+通話ワイド24 | ウィルコムプランLite+だれとでも定額 | EMOBILE 4G-S+だれとでも定額 for EM-S |
月額基本料金 | 2700円 | 1410円 | 2700円 | 1868円 | 1868円 | 1868円 | 1334円 |
30秒の通話料 | 無料 | 20円(ドコモ同士無料) | 無料 | 10円(1〜21時ソフトバンク同士無料) | 10円(1〜21時au同士無料) | 無料(PHS回線、1回10分、月500回まで) | 無料(1回10分、月300回まで) |
備考 | 25歳以下割引あり | 8月31日受付停止 | 25歳以下割引あり | 時期未定だが受付停止を予定 | 月477円でau同士通話無料あり | 3G回線使用時は30秒20円 | 4G-Sスマホ割で基本料金割引(上記適用済) |
もともとウィルコムとイー・モバイルでは、月500回/300回、1回10分までといった制限つきで通話定額を実現していた。だが、10分以上の通話になれば通話料が発生する。しかし今回のNTTドコモ、ソフトバンクの新料金プランは完全に「国内通話無料」になる(ナビダイヤルの0570や104などは有料となる例外もある)。
なぜ「通話」なのか。そもそも大手キャリアの料金プラン設計は、スマホ時代に合わせて通話よりもパケット利用を前提に組み立てられていた。基本料金を月額1000円以下に抑え、パケット定額を組み合わせるのがスタンダードだ。
しかし、全体的に通話利用が減っているとはいえ、ビジネスシーンではまだまだ通話の機会が多いのも事実。従来型携帯電話(フィーチャーフォン)であれば無料通話分や30秒あたりの通話料金が安いプランも用意されていたが、スマホには選択肢がほとんどない。ビジネスパーソンは固定電話と通話することも多く、30秒ごとに20円という通話料金は負担が大きい。
また、スマホで通話をする人の中には、「050 plus」をはじめとしたIP電話サービスへの乗り換えを検討する人もいた。だが、050から始まる新しい電話番号を相手に伝えたり、アプリの設定をしたりする手間を考えねばならないうえ、通話品質が気になって思いとどまった人も多い。
これらの課題を一挙に解決するのが大手キャリアの新料金プランというわけだ。キャリアの通話回線を使うので、アプリも設定も不要だし、通話品質も良い。何と言っても話し放題だ。
さらに、2014年6月下旬からはNTTドコモがVoLTE(ボルテ=通信規格のLTEを通話に用いる方式。既存のIP電話と比べ通話品質が良い)を開始する。auやソフトバンクも導入予定であり、新料金プランの投入は「通話のしやすさ」を目玉にしたケータイ会社の熾烈(しれつ)な戦いの幕開けといえそうだ。
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