使いたいアプリが出てこない」「外で画面が見づらい」「肝心な時に画面が暗くなる」――。イマドキのスマホは、こんな小さな「イライラ」をなくすさまざまな機能が搭載されているのをご存じだろうか。さっそくチェックしてみよう。
仕事でスマホを使っていて、「あっ(イラッ)」「うっ(ツラッ)」と思うことはないだろうか。1つひとつは「使いたいアプリがすぐ出てこない」「外で画面が見づらい」「急いでいるときに限って画面がブラックアウトする」――といった小さなことだったりする。でも、それが重なるとじわじわ効いてきて、ストレスを感じてさせてしまうのだ。
最近のスマホには、そんな“ちょっとしたイライラ”を改善する機能が増えているらしい。さて、イマドキのスマホは、いったいどんな進化を遂げているのだろうか。とある会社の上司と部下の会話から、あなたのスマホに必要な機能を考えてみよう。
40代半ばの課長で仕事ができる現場のエース的存在。大らかな性格で部下から慕われているが、大雑把な面も。スマホは「安けりゃいい」という選び方をしたため後悔しており、そろそろ買い替えようかと思っている。
最新スマホに詳しい若手有望株。須磨夫課長の下で働いて5年目。部下思いで仕事をバリバリこなす須磨夫のことを尊敬しているが、スマホの選び方や使い方には納得がいっていない。“スマホを替えれば、もっと仕事がラクになるのに”と思っており、買い換えを勧めている。
今、すぐ使いたいのに、いったいどこにいったのか……。使いたいアプリや機能がすぐに見つからず、えんえんと画面をスクロールし続けたことはないだろうか? ……須磨夫課長がそんな状態に陥っているようで……。
須磨夫: うーん、うーん、どこだよ……。
スマ彦: 須磨夫課長、この書類を確認してほしいのですが。
須磨夫: なに!?
スマ彦: ひっ!? ちょっと、なんでそんな怖い顔しているんですか!
須磨夫: ハハハ、すまない。ちょっとイライラしてしまった。どれどれ……ん? ひらめいたぞ!
スマ彦: (嫌な予感しかしない……)
須磨夫: スマ彦、書類を見ているあいだ、ドキュメントアプリを探してくれないか? どうにも見つからなくてな。
スマ彦: いつもトップ画面にアイコンを置いていたのでは?
須磨夫: うん、新しいアプリを試そうと思って、いろいろ整理したんだけど逆に分かりにくくてね……。
スマ彦: ……うわっ、ものすごいアプリの量ですね。よく使うアプリや機能は、呼び出しやすくしたらいかがです?
須磨夫: アプリのアイコンをホーム画面に置くだけじゃだめなのかい?
スマ彦: アイコンは並び替えると分かりにくくなりますから。いつも確実に使う機能は、簡単な操作で呼び出せると便利なんですよ。画面をフリックすると、設定した機能が呼び出せるとか。
須磨夫: それは設定しておきたいね。
スマ彦: シーンや時間帯に合わせてスマホが自動的に、その場でよく使いそうなアプリを表示してくれる場合もありますよ。
須磨夫: 俺の古いスマホにそんな機能があると思うか?
スマ彦: ……いい加減、買い替えましょうよ〜。
須磨夫: ただいま検討中だ(妻が……)。
須磨夫課長と定食屋に入ったスマ彦。ちょうどお昼時で、料理が出てくるまで時間がかかりそうだ。そこでスマホを取り出した須磨夫課長。娘さんと行った水族館の写真をスマホで見せてくれたのだが……。
須磨夫: あ、また消えちゃったよ。次の写真、娘の笑顔が最高なのに……。
スマ彦: 画面の点灯時間短くしているんですね。
須磨夫: 少しでも電池を長持ちさせたいからさ。でも、こういうとき不便だよなあ。このあいだも見積書を見ているときにすぐ消えてさ。今だけ、設定を変更するか。だけどまた元に戻すのが面倒だし……。
スマ彦: そういうことならスマホを持っているときだけ、画面が点灯し続ける設定にしましょう。
須磨夫: ? なんだそんな機能があるのか?
スマ彦: 最近増えてますよ。手で持っているときだけ、あるいは画面を見ているときだけとか。
須磨夫: センサーやインカメラで判断しているのか?
スマ彦: そうみたいですね。あ、だけど須磨夫課長のスマホ、古過ぎてそういう設定がないみたいです……。
須磨夫: ……。
定食屋から出た2人。帰り道、須磨夫課長にメールが届いたようだが……。
須磨夫: (突然立ち止まり、じっとスマホを睨みつける)
スマ彦: ……あ、あの、須磨夫課長、どうしたんですか。またスマホにガン飛ばして……。
須磨夫: ……見えん!
スマ彦: ?
須磨夫: 画面がまったく見えないんだ! 明るさ最大にしているのに!
スマ彦: あー……。
須磨夫: 設定を直したいけど、画面が見えないから設定アイコンの場所すら分からん!
スマ彦: 今日は天気がいいから、日の光に画面の明るさが負けているんですね。日陰にいきましょう。
須磨夫: これで画面が明るくなったが……結局、日なたに出ると見えないんだよなぁ。
スマ彦: 最近のスマホは屋外用の明るさ設定もあるんですが、須磨夫課長のスマホは古いので……。
須磨夫: また対応していないのか!? うーん、このスマホ、全然使えないじゃないか。
スマホの買い替えを勧められてスマホ売り場へ向かった須磨夫課長。最近、流行りの大画面スマホを試したところ、またもや唸りはじめ……。
須磨夫: スマホは買い替えんぞ!
スマ彦: ええ!? なぜですか?
須磨夫: 最近のスマホは5インチだの、6インチだの、使いにくくてかなわん。私はコンパクトなスマホがいいんだ。電車の吊革をつかんでいても、片手でスマホを操作する――。これが仕事人間には大事なんだよ!
スマ彦: 確かに大画面だと両手で操作することが多くなりますね。
須磨夫: だろ! コンパクトで高性能なスマホが出てくるまで買わん!
スマ彦: ですが、大画面でも縮むんですよ。
須磨夫: えっ? 縮むってなによ? いくらスマホが進化しても、サイズまで自在に変えられないだろ? そんなものができたら大ニュースだよ。
スマ彦: いえ、そうではなく、画面を下に移動させるんです。
須磨夫: ?
スマ彦: 例えば、ホーム画面の上のほうに指が届かないときに、ボタン1つで、ホーム画面全体が下に下がってくるんです。あとはホーム画面全体が縮小したり。
須磨夫: あ、なるほど。ディスプレイや本体がグニャッと縮むわけではないんだね。
スマ彦: そんなスマホがあったら僕も見てみたいですよ……。大画面スマホには今や、必須の機能ですね。
須磨夫: もう一度ショップを見てくるか……。
スマホ歴1年の須磨夫課長。今やフリック使いの名手になったが、スマ彦の文字入力はさらに早いのだった! 外出先でその様子を見た須磨夫課長は……。
須磨夫: え? 嘘だろ?
スマ彦: 何がですか?
須磨夫: 君のメールだよ! 今、うちの部署全員に送っただろ!
スマ彦: はい、あ! なにか間違いでも!?
須磨夫: 早すぎるだろ!
スマ彦: ええー、そんなこと言われても……。
須磨夫: だって今、私があの件について、皆に知らせて、と言って……数秒で送っただろ。
スマ彦: いや、そこまでは早くないと思いますが、まぁ、すぐに送りましたね。
須磨夫: なぜそんなに早くできるんだ。私のフリック入力が遅いのか?
スマ彦: そんなことありませんよ。いつも課長のフリック入力を見ていますが僕と同じくらいでは?
須磨夫: そ、そうかな? しかし、あんなに早くメールを送れるなんて……。
スマ彦: おそらく予測変換のおかげですね。優秀なIME(日本語入力システム)を搭載しているスマホほど、少ない手順でこちらが入力したい言葉を候補として表示しますから……。
須磨夫: そんなに違うものかな?
スマ彦: 人気のスマホでも“予測変換は大したことがない”という機種はあるみたいですよ。中にはそのスマホ特有のIMEが入っているモデルもありますね。
須磨夫: そういうスマホは心惹かれるなあ……。
とあるオフィスの昼休み。ランチに行こうと席を立ったスマ彦は、須磨夫課長がものすごい目つきでスマホをにらんでいることに気がついた。
スマ彦: 須磨夫課長、どうしたんですか? 何か悪い知らせでも?
須磨夫: いや、昼休みに小説をちょっと読んでいるんだけどね、見づらいんだ。画面を見ていると目が疲れてね。
スマ彦: そうですか? 画面は明るくてキレイに見えますが……。
須磨夫: どうも疲れるんだよなぁ。まだ昼なのに目がしょぼしょぼするよ……。
スマ彦: 疲れ目ですか……。そうそう、最近は年齢に合わせて画面の色を調整するスマホがあるらしいですよ。
須磨夫: む、俺を年寄り扱いか!
スマ彦: いえ、課長は若いですよ。一応そんな機能もあったな、と。
須磨夫: うむ、次のスマホ選びでは気に留めておこう。あくまで一応だがな。
スマ彦: (そのわりにしっかりメモってるし……)
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