同タイトルの本を筆者が書こうとした一番の動機は、Google、Amazon、Facebookといった大成功したシリコンバレーのベンチャー企業が、単に名門大学の優秀な学生だったということでなく、そもそも幼年期に同じ教育プログラムを受けていたことを知ったのがキッカケでした。
しかも、その教育プログラム出身者には、アントレプレナー(起業家)だけでなく、オバマ大統領やクリントン夫妻、ドラッカーなどあらゆる知の権化が含まれるのです。筆者は驚きとともに、その教育プログラムの中に何か人間が持つ根源的な能力を引き上げるものがあるのではないかと大変興味を持ったわけです。
タイトルとなった「Googleの成功はモンテッソーリ教育なしには語れない」は、Googleの影の番長とも言われたマリッサ・メイヤー(現Yahoo!のCEO)が創業者の2人を評した言葉です。Googleの文化の中にモンテッソーリ教育のエッセンスが根付いていることを表しています。
モンテッソーリ教育は、イタリアの女医が始めた幼児教育プログラムですが、そのベースとなるのは「自律」(自ら動く)と「集中」です。プログラムの中身は、さまざまな知的玩具(指先を細かく使うものが多い)を利用して子供たちが自ら選んだものを、やり切るまで見守り続けるというものです。何か強制するのではなく、自分で選び、自分で達成感を味わうことを繰り返します。
大人の私たちにも、この2つの力は大変重要です。仕事の生産性を高めるためには集中力が欠かせません。また、自分で考え、実行する習慣をつけなければ自分自身の納得できる人生を歩むことはできないのです。
細かいモンテッソーリ教育プログラムの中身は本文や関連書に任せるとして、ここでは大人になっても「自律」と「集中」は養えるということと、その効果の大きさを改めて強調しておきたいと思います。常に目標を達成し、やる気と成長を持続していくサイクルを「集中スパイラル」としてまとめました。
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