学歴コンプで没個性……存在感ゼロの“のれん系”上司こじらせ!上司図鑑(1/2 ページ)

20代の若手社員に、上司に関するあれこれを語ってもらう本連載。今回、登場するのはインフラ企業の島田さん(仮名)。インフラ企業ゆえ“慎重さ”が大事なのは分かるけれど、度が過ぎて“自分の意見すら言わなくなる”のはいかがなものかと……。

» 2015年02月24日 09時00分 公開
[西山武志,Business Media 誠]
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 20代の若手社員たちに、上司に関するあれこれを語ってもらう本連載。今回、登場するのはインフラ企業にお勤めの島田さん(仮名)。インフラ企業ゆえ「何かあったら事故につながる」という慎重さが大事なことは分かるけれど、度が過ぎて“自分の意見すら言わなくなる”のはいかがなものかと……。

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――島田さんは、インフラ系の企業にお勤めなんですよね。

島田さん はい、主に海外での事業展開に携わる仕事をしています。

―― 海外事業がメインとなると、部署としては風通しがよさそうな気がしますが……。

島田さん そうでもないんですよ。グローバルな部署と言えども、ベースはやはり老舗のインフラ企業なので、いろいろと面倒な確執は多いです。あと、うちの会社の場合、年齢と役職が必ずしも比例しないんですよね。

―― それはなぜ?

島田さん 本社には、大卒で総合職として入社した人と、高卒で現場からたたき上げできた人がいて。そうすると、やっぱり総合職入社の人の方が出世は速いんです。

―― 学歴で差が出るんですね。

島田さん 僕のいる課の課長は40代半ばなんですが、その下についている課長補佐は50代前後。この方は、現場で10年以上勤めてから本社に入ってきたそうで。このような「年下が上になる」構造が社内でよく見られるので、ちょっと気を遣いますね。

―― 直属の上司は、課長補佐の方ですか?

島田さん そうです。その人は、ものすごく手順を気にしますね。何事にもまず、上長への確認を優先します。現場上がりの方は、インフラに携わる会社独特の「何かあったら事故につながる」という意識がとりわけ根強いこともあって、一つひとつの判断がとても慎重です。

―― なるほど、その方が慎重なのも社風ということですか。

島田さん いや、慎重と言うか……ほぼ自分の主張はなく、上の判断に委ねていると言った方が正しいかも(笑)。とにかく、書類ひとつ通すのにもめちゃくちゃ時間がかかるんです。

―― 仕事にスピード感がないのは、やっぱりストレスになりますか?

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島田さん 社内システム的にはしょうがないんですが……。「課長補佐→課長→部長→事業部長」という確認プロセスをとって、それぞれのハンコをもらわないと何も進められないのは、正直しんどいですね。「スタンプラリーかよ!」と。

―― そのスタンプラリーは全然楽しくない!(笑)

島田さん そのプロセスの中で、課長補佐はホントに意見を言わないんですよ。体育会系で職人気質、「言われたことを忠実にやり遂げる」って意識が強いんでしょうか。上下関係は絶対視していますね。上から言われたことは、僕に対してそのまま「こうしろ」と言ってきますが、本人の判断で僕に何か言ってくることはほとんどない気がします。

―― それって、課長補佐の方の存在意義が……

島田さん うーん……僕の口からは言いにくい(笑)。ただ、周りに対してのコンプレックスは人一倍感じているんだと思います。うちの部署は、いい大学を出ていて、英語も流暢な方が多いんですよ。それに対して課長補佐は、学歴もなければ英語も得意ではなく、歳も若くないので……。僕がはかりしれるものではないのですが、気苦労はとても大きいのではないかなと。

―― 島田さん、思いやりにあふれてますね……!

島田さん でも、本音を言えば「もっと上司らしく、少しはためになるアドバイスをしてほしい!」とは、常に思ってます。

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