『禅と日本文化』――ビジネスで侍になる:藤沢烈の3秒で読めるブックレビュー
欧米でベストセラーになった『Zen and Japanese Culture』を和訳したのが本著『禅と日本文化』だ。禅と日本文化の入門書になっていて、一粒で二度おいしい。ビジネスで侍になるためにも一読の価値ありだ。
鈴木大拙(すずき・だいせつ)は、禅を世界に広めた功績者。欧米でベストセラーになったのが『Zen and Japanese Culture』であり、それを和訳したのが本著『禅と日本文化』だ。禅と日本文化の入門書になっていて、一粒で二度おいしい。
知恵すらも使わない
禅とは何か。無理を承知で言葉にすれば、無心+シンプル+実感、になる。剣道や武士道においては、知識はもとより知恵すらも使わず、ただ心を無にすることで、敵を丸呑みする。
茶道では、極限まで要素をシンプルにすることで、一輪の花を際立たせる。そうしたシンプルさを持ち込むことで、儒教は思想として息を吹き返し、日本文化に根付いた。俳句では、概念的・論理的であることをやめ、実感を込めることを重視する。
頭で考えて積み上げる視点と真逆のアプローチが禅であり、禅こそが日本の個性を際立たせているのだ。
ビジネスで侍になるために
欧米の知識人は、鈴木大拙らを通じて禅および日本に関心を持っている。下手に西洋ロジックに合わせることはない。イチローや中田がサムライと呼ばれるように、ビジネスでも禅と日本を意識して臨むのも一手だ。そのためにも、まずは大拙を読みたい。
著者紹介 藤沢烈(ふじさわ・れつ)
RCF代表取締役。一橋大学卒業後、バー経営、マッキンゼーを経て独立。「100年続く事業を創る」をテーマに講演・コンサルティング活動に従事。創業前の若者に1億円投資するスキームを企画運営し、話題を呼ぶ。「雇われ経営参謀」として500人以上の経営・企業相談を受けてきた。ブログに毎日書評を掲載し、現在900冊超。
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「これからの日本に必要なのは、革新的な経営感覚を持った若き経営者だ」――そう考え、有望な人材の発掘・育成のサポートに日々邁進する経営コンサルタントがいる。藤沢烈、33歳。マッキンゼー出身、現在は独立してベンチャー企業のコンサルティングを行う、彼の日常とは? - 1人シリコンバレー創業プロジェクト、そして――藤沢烈さん(後編)
「エゴは罪悪ではない」「200年先を見据えて考える」――思案しながら藤沢さんが選びだす言葉は非常にユニークだ。その彼が企画したのは“起業経験がない若い人に、1億円出資します”という一大プロジェクト。彼の思いは、そこに至るまでの人生とは……?
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