頭の整理術――カタチで見る「図解通訳」:世の中「四角形と矢印」でできている(2/2 ページ)
わたしたちは情報をインプットして、理解し、記憶するときには必ず「絵」にしています。本連載では入ってきた情報を整理・分析し、他人に分かりやすく伝える技術「図解通訳」を紹介。今回は、「カタチ」に着目し、図解通訳のまとめをします。
詰まったら、「5W2Hのフレームワーク」を意識する
しかし、ヒアリングして、どんどん図解が浮かぶ人は問題ないとしても、どこから手をつけてよいのか、途方に暮れるという人もいるでしょう。図解通訳の際に、適切なフレームワークを思い出すことができれば、自ずとヌケやモレに気づいて質問もできるでしょうが、そうでない人も多いと思います。
そんなときに覚えておくと大変便利なフレームワークが「5W2H」です。5W2Hはいわずと知れた「Why、What、Where、When、Who、How、How much」という7つの軸から事実を組み立てていくフレームワークです。
5W2Hは7つのカタチと対応している
事実の確認、問題の分解、アクションプランの作成など5W2Hは物事を具体化するプロセスで欠かせません。そういう意味でも情報をヒアリングする際に5W2Hの7つの軸から攻めていくのはとても効率がよいものです。そして、5W2Hは7つの図解のカタチに対応しています(図3参照)。
例えば、Whyは論理ツリー、WhatやWhoは3C分析やビジネスモデル、Whereは座標マップ、Whenはプロセスやガントチャート、Howはフローチャート、そしてHow Muchはグラフで表現することができます。情報をまとめ、疑問点を質問する際には、対応する7つの図解表現を頭に浮かべて行なうとよいでしょう。
図解通訳をスムーズに行うコツとは?
最後にまとめとして、図解通訳を行う際のチェックポイントをお伝えしておきましょう。
まず、外国語の同時通訳と同じで、なるべく予測をする、ということ。ヒアリングするテーマ、話し手のプロフィール、会議の目的などから事前に予測を行うことが、図解通訳では大変重要です。
次に、情報をヒアリングしながら的確なフレームワークや全体図をイメージします。それに合わせて、ヌケやモレを埋めるべく、質問を行います。相手の話を逐一、図解にする必要はありません。ある程度の「情報のかたまり」の単位で、しかも重要だと思えるポイント、目的にマッチする内容だけを描けばよいのです。
また、途中で、誤字や間違いに気づいても気にすることよくありません。そのため、わたしは何度でも書きなおせる「消せるボールペン」を使っています。ヒアリング終了後には、アイコンやキーワードなど補足情報をぜひ、図に加えましょう。
完成した図解メモは、単なるメモを超えて、自分の大切な作品のように思えてくるでしょう(図4)。
いかがだったでしょうか?
10回に渡って連日、集中連載を行いましたが、少しは図解の楽しさ、図解で考えることの大切さ、図解通訳のポイントをつかめましたか?
次回からは少しゆっくりとしたペースで、話題のニュースや身近な問題をとりあげていきたいと思います。取りあげてほしいテーマ、ニュース、問題などがあれば、編集部までお知らせください。
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