新しい環境に飛び込む――『宇宙からの帰還』:藤沢烈の3秒で読めるブックレビュー
新年度が始まった。職場の状況がガラリと変わった人もいるのではないか。宇宙飛行士も、宇宙の体験によって世界観をガラリと変えるという。
宇宙体験によって、宇宙飛行士は世界観をガラリと変える。退職後は、宗教や超能力にのめり込む者もいるという。ジャーナリスト立花隆氏が数多くの飛行士たちを直接インタビューし、宇宙体験とは何かをまとめたのが『宇宙からの帰還』だ。
宇宙体験により知りうること
(1)地球とは何か:青い地球を写真で見たことはあるだろう。しかし、肉眼で宇宙から地球を見るのは全く違う体験だという。その行為によって、宇宙飛行士は地球を新しい何物かとして理解する。
(2)〜(4)地球の美しさ・大きさ・一体感:宇宙という外側から地球を眺めることで、地上では気づかない地球の素晴らしさを知る。1つは美しさ。1つは人間が小さな存在でしかないこと。1つは世界中で起きていることの一体感。
(5)地球の有限性:同時に、無間な宇宙の中で地球は弱々しい存在であると気付くという。この事から、国同士の争いなどが無意味であること、自然を守る重要性を、宇宙飛行士達は悟るという。
新しい環境に飛び込む
個人的な話だが、昨年から月に1回海外を回るようにしていて、海外に出るたびに日本への理解は深まると感じる。閉塞感強まる日本だが、海外・起業など思い切って違う環境に飛び込むことで自分達を知ることができるのではないか。宇宙飛行士たちが、宇宙という環境に飛び込むことで、地球を理解したように。
著者紹介 藤沢烈(ふじさわ・れつ)
RCF代表取締役。一橋大学卒業後、バー経営、マッキンゼーを経て独立。「100年続く事業を創る」をテーマに講演・コンサルティング活動に従事。創業前の若者に1億円投資するスキームを企画運営し、話題を呼ぶ。「雇われ経営参謀」として500人以上の経営・企業相談を受けてきた。ブログに毎日書評を掲載し、現在1200冊超。
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「これからの日本に必要なのは、革新的な経営感覚を持った若き経営者だ」――そう考え、有望な人材の発掘・育成のサポートに日々邁進する経営コンサルタントがいる。藤沢烈、33歳。マッキンゼー出身、現在は独立してベンチャー企業のコンサルティングを行う、彼の日常とは? - 1人シリコンバレー創業プロジェクト、そして――藤沢烈さん(後編)
「エゴは罪悪ではない」「200年先を見据えて考える」――思案しながら藤沢さんが選びだす言葉は非常にユニークだ。その彼が企画したのは“起業経験がない若い人に、1億円出資します”という一大プロジェクト。彼の思いは、そこに至るまでの人生とは……?
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