表現したい「違い」を1つだけ見つけて図解しよう:プロ講師に学ぶ、達人の技術を教えるためのトーク術(2/2 ページ)
本来は簡単なはずの一文も、長い文章の中に埋め込まれるととたんに難しくなるものです。複雑な情報を鮮やかに図解してみせるには、表現したい「違い」をまず1つだけ見つけてみましょう。
さて、こうして「違い」を表現する方法を1つずつ考えたら、次はそれを統合します。
上図がその例ですが、FCのほうの加盟店(加盟者)の数を増やしていちいち文字を入れると煩雑になりそうだったので、「取引」「加盟者」等の文言は全体を代表して1カ所にだけ入れてあります。
さて、あとはここに(B)項、フランチャイズ・チェーンでは、「加盟店がバラバラに本部と契約する」のに対して、ボランタリー・チェーンでは「加盟各社が一致協力して本部をつくる」形になる、という足してみましょう。
RCとFCについては上図でかまいません。ボランタリー・チェーン(VC)だけを考えます。すると、「加盟各社が一致協力して」というところをどう表現するか、がカギです。こういう関係を表す時にはこんな方法があります。
「加盟店」をぐるっと囲むことで「一致協力」を表し、このグループが「本部を設立する」という関係を描くわけです。こうすれば、「加盟店がバラバラに本部と契約する」FCとの差もハッキリします。
こういう書き方は、「ぐるっと囲むことで一致協力を表す」とあっさり説明されると、ごく自然な発想ですし簡単にできそうに見えませんか? 実際、簡単なはずなんです。
- ボランタリー・チェーンでは「加盟各社が一致協力して本部をつくる」
と、この1行だけを見せられて図解しろ、と言われたらたいてい誰でも簡単にできます。ところが、もう一度今回冒頭に載せた課題テキスト原文を見てください。たった10行程度ではありますが、このぐらいの長さでも、
- 複数の情報を含む文章の中に埋もれる形で書かれていると、そこから「表現すべき違い」を一点だけ抜き出して、それを図解するのは難しい
のです。ですから、ある程度長い文書(数行以上)で、2つ以上のものを比較して説明しているものを見つけたら、まずはそこから、
- 表現したい「違い」をまず1つだけ見つける
ようにしてください。そしてその1つだけの違いをどう表すかを考えます。これを何項目かやってからそれを統合すると、複雑な文章でも図解しやすいものです。要するに難しい問題は分割して攻める。これが原則なんですね。
お知らせ
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筆者:開米瑞浩(かいまい みずひろ)
IT技術者の業務経験を通して「読解力・図解力」スキルの再教育の必要性を認識し、2003年からその著述・教育業務を開始。2008年は、「専門知識を教える技術」をメインテーマにして研修・コンサルティングを実施中。近著に『ITの専門知識を素人に教える技』、
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