誰でも取りかかれるデスク整理の第一歩:年末デスク整理術
多い日で1日に70件もの書類を処理するシェイクの酒井祐子さんは、「デスク整理の達人」として社内での信頼を集めている。そんな酒井さんに、デスク周りをきれいに整備し、仕事の効率を上げる秘けつを聞いた。
「デスク周りがきちんと整理されている。タイムマネジメントがしっかりできるし、仕事も早い」――。社内からこんな信頼を集めている「デスク整理の達人」がいる。人材教育事業のシェイクで経理などのバックオフィス業務を担当している酒井祐子さんだ。
酒井さんの机周りは引き出しもないほどシンプルだ。金融機関で働いていた前職では、顧客ファイルや稟議書などの書類に囲まれ、「書類を50センチほど積み上げていた」(酒井さん)。決して整理上手ではなかった。
そんな酒井さんだが、一晩にして「デスク整理の達人」になったわけではない。整理によって仕事の効率が上がると考え、さまざまな試行錯誤を重ねてきた。そんな酒井さんに、誰もがすぐに着手できるデスク整理のポイントを聞いてみた。
机の上は業務にかかわるものだけを置く
実際に酒井さんの机を見ると、置いてあるのは、PCと書類の収納ボックス、文房具立てのみ。「デスクは業務関連にかかわるものだけを置いている」と酒井さん。私物は会社のロッカーにしまい、いつでも業務に取りかかれる環境を整備している。
環境整備に役立っているのが、書類ボックスだ。7つある引き出しの4つは「経費精算」「処理案件」「経理案件」「法務関連」と分類。多いときでは1日に70件もの書類を処理する酒井さんは、仕事内容を大きく4つに分け、締め切りに応じて仕事を片付けていく。「業務に応じて、必要な書類をすぐに取り出せる」環境を作ることは、業務効率の向上に直結する。
そのほかのボックスには文房具、電卓、朱肉、インデックスシール、スタンプ台、小物を入れている。ここは「ざっくりと入れるものを決め、見た目にはこだわらない」。仕事に取り掛かる環境をさくっと作り、要らないものは置かないのが酒井さん流のデスク整理術だ。
いったん保管して、折を見て捨てる
保管するか、思いきって捨ててしまうか――。企画や書類を作った際に使った資料は「今は使わなくても、半年後に必要になるかも」と思い、なかなか捨てられないもの。酒井さんはいったん1つのファイルに収納して、キャビネットにしまっておく。
処理の判断に迷う書類を新たに収納する際に過去の書類を見返し、「必要がないと思ったらそこで捨てる」のが酒井さんのスタンスだ。定期的に整理するよりも書類を捨てる決断がつきやすく、資料用の書類がどこにあるかも頭に残りやすくなる。
会社にある備品で試行錯誤する
デスクの整理には、会社の備品をフル活用する。裏を返すと、道具にはこだわらない。「高額な備品を自分で購入したものの、結局使わなくなったこともある。周囲にあるものを使い、自分の業務のしやすさを考えることが大事」と酒井さんは笑う。
「これはここにあるべきとは考えない。やりにくければ整理の仕方をぱっと変える」。業務効率を高めるためには、見た目は重視しない。「書類だからと縦に置く必要はない。平積みでもいい」と酒井さん。試行錯誤の繰り返しによって、自分なりのデスク整理術を磨き上げている。
忙しい時には書類も溜まってしまう。そんな時は無理をせず、できる範囲で片付ける。「退社前にさっと片付けることも意識している。習慣になれば、片付けは苦にならなくなってくる」(酒井さん)。片付ける意識を常に頭の片隅に置き、机の上を普段と同じ状態にしておくことで、自然と「頭の中でも書類や文房具の置き場所が整理されてくる」。
酒井さんは「片付けは個人にとってやりやすい方法がある。試行錯誤をし、合わないと思ったら変えてみるのもいいのでは」と話す。デスク整理の第一歩として、身の回りから無理のない範囲で片付けてみることの大切さが伝わってくる。
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