金利と為替の関係を図解でスッキリ理解する:プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術
金利や為替は多くの指標が関係しているため、具体的にどのように変動しているのかを理解するのは難しいです。そんなときは、事象をキーワードで示し、原因と結果の関係を図解でまとめてみるとよいでしょう。
最近、ドル/円やユーロ/円などの外国為替がめまぐるしく変動するニュースをよく耳にします。輸入や輸出の絡むビジネスでは、先を読むのが難しい時代となりました。
ところで、金利や為替ってどのように動くのかよく分からない人も多いと思います。多くの指標が複雑に影響し合うのでなかなか理解するのは難しい上に、為替は相対的なものなので、頭の中だけで考えているとこんがらがってしまいます。こんなとき、事象をキーワードで示し、原因と結果の関係を図解でまとめてみるとすっきり理解できます。
米国の景気が回復する、と仮定すれば円はどうなる?
例えば、米国で景気が回復するとします。景気が良ければ企業は設備投資を増やそうとするでしょう。その結果、お金を借りるところが増え、金利は上昇。外貨を売ってドルを持った方がお得なので資金が流れ込み、ドル高となります(円にとっては円安)。
ここまでは一方向への流れですから矢印で示します。一方、ドルと円は鏡のような関係ですから、両端矢印で結びます。
円が安くなると、輸入品の価格が高くなります(日本はほとんどが輸入にたよってます)。物価全体は上がりインフレになりますので、銀行からお金を引き出してでも、ものを早めに買った方がお得です。
銀行は預金がなくなると業務ができませんから、金利を上昇して預金を増やそうとします。結果、金利は上昇し、今後は円の魅力がアップするので外国から資金が流れ込み、円高となります。つまり、米国にとってはドル安になります。
金利と為替はこのように一方向に進むのではなく、お互いに調整を取りながら、アップ&ダウンを繰り返すのです。経済の苦手な人も、これならすんなり受け入れられるでしょう。
曖昧に理解していることも図解することで、スッキリ頭の中で整理できます。頭の中で整理できれば、応用もでき、他人に説明する能力も身に付きます。あなたも図解を使って、身近な話題をスッキリ整理してみてはどうでしょうか?
集中連載『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』について
パワポの前に「図」で考える――。ベストセラー『頭がよくなる「図解思考」の技術』の第2弾となる本書は、プレゼンテーションの根幹とも言える「メッセージをどう作り、どのように伝えるのか」を図で整理する方法を解説しています。
「見栄えのいいスライドを作ること」や「説得力のある話し方をすること」も当然大事ですが、プレゼンの目的(メッセージ)そのものが洗練されていなくては、聞き手の心には届かないからです。営業プレゼンテーションや講演に限らず、ちょっとした説明や商談、または報告などにも応用可能で、あらゆるビジネスシーンで活躍するはずです。
目次
- 第1章:残念なプレゼンは、なぜ眠たくなるのか?…面白いプレゼンの秘密とは?
- 第2章:考えがスッキリまとまる図解プロットの技術…自分の考えを整理する方法
- 第3章:「合体ロボ作戦」でシナリオに磨きをかける…プレゼンの流れを作り出す
- 第4章:魅力的なスライドラフを描いてみる…ハイクオリティなラフ描きの技術を公開
- 第5章:図解プロットに挑戦!…実際に、考えをまとめ、シナリオを作り、ラフを描く
- 第6章:魅力的なアイデアを作り出す10のテクニック…使えるアイデア発想法
著者紹介 永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。その後、デジタル業界に興味を持ち、デスクトップパブリッシングやコンピュータグラフィックスの専門誌創刊や、CGキャラクターの版権管理ビジネスなどを構築。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』(中経出版刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
Twitterアカウント:@nagatameister
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