自社サイトを1つのファイルとして丸ごとアーカイブするには:ビジネスの悩みを解決するPDFドリル
Adobe Acrobatの「WebページからPDFを作成」機能を使うと、指定したURLからリンクしているページを丸ごとアーカイブできてしまう。自社サイトなどを定期的にアーカイブして保存する用途にぴったりだ。
WebページをPDF化して保存する機能は、多くのユーザーにとって利用価値があるのではないだろうか。PDFであれば、保存目的に使うのにもぴったりだし、校正機能を使うのにも役立つ。
これだけでも利用価値は高いのだが、Adobe Acrobatユーザーであればぜひ使ってみてほしいのが、「WebページからPDFを作成」機能だ。この機能を使うと、Web上のあるページを起点に指定した階層分のページをまとめてPDF化して保存が可能。レイアウトの再現性も高いほか、リンクも保持される。自社のWebサイトを実にかんたんに、丸ごとアーカイブできてしまうのだ。
手順は、[ファイル]→[作成]→[WebページからPDF]を選択し、URLを入力。このまま[作成]を押すとこのURL単体しか保存されないが、下段の[複数レベルをキャプチャー]をクリックして[サイト全体]を選択したのち[作成]を実行すれば、指定したURLのページだけを起点にしたサイト全体が1つのPDFファイルとして出力されるのだ。
サイト全体をPDF化するといっても、1ページごとにバラバラのPDFで保存するわけではない。各ページがPDFに変換され、全体が1つのPDFファイルで出力されるのがこのワザの便利なところだ。1つのサイトが1つのPDFファイルにまとまるという、文字通りアーカイブが作成されるので、保存にもぴったりだ。ページにはしおりが自動追加されるため見た目も一目瞭然。またページ間のリンクも生きているので行き来も容易だ。
URLを入力したのち、保存対象として[サイト全体]を選択する。いきなり全体を指定すると負荷が掛かる場合があるため、まずはこの画面のように[サイトの一部]で、レベルを[2]あたりで試してみよう。下段の[同じパスのページだけを取得][同一サーバを使用]も、必要に応じてチェックを入れたほうが、むやみに不要なページを保存しなくて済む
Webサイトを丸ごとアーカイブ化する方法は、HTMLベースだと複雑になったり、レイアウトが崩れることもしばしば。それがこの方法であればファイル1つですっきりと収まる。自社のWebサイトはもちろんのこと、競合サイトの魚拓を取るなど応用範囲は広いので、活用してみてはいかがだろう。
なお、オプション設定によってはリンクをたどって際限なくページを取得してしまうため、なるべくサーバに負荷が掛からないよう、最初は浅い階層から試してみることをおすすめする。外部参照が多いサイトであれば、URLを指定する画面で「同じパスのページだけを取得」などにチェックを入れておくのも有効だ。
連載「ビジネスの悩みを解決するPDFドリル」とは
ビジネスの各シーンで利用するPDFファイル。このドリルを練習して、PDFを上手に活用できれば業務効率が向上し、コストの削減ができるはず! さらに、ビジネスのいろいろな問題も解決できるかもしれませんよ。
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