「捨てる」は捨てないものを決めた瞬間に、脳が自動で選別する:アタマの片付け(3/3 ページ)
頭の中から不要なものを物理的に捨てることはできませんが、重要なものを強く意識することで自然と情報は選別されていきます。今回はそのメカニズムを具体的に見ていきましょう。
What、HowではなくWhyを大事にする
価値観を重視して物事を判断するということは別の言い方をすれば「Why?」をベースに考えるということでもあります。
「Why?」はどうしてこれをやる必要があるのか。その背景となる信念や絶対的価値のことです。例えば企業でいえば、「What?」は製品やサービスのこと、「How?」はどのように提供するかということですから、その組織体制やノウハウ。一方で「Why?」は企業理念やミッションに当たるものです。
普段の仕事で企業理念やミッションを意識することはないかもしれません。しかし判断に迷うとき、何をすべきか暗中模索のときに、軸となるのは企業理念やミッションです。もし、あなたの目の前で企業利益と公共の利益が相反するようなシチュエーションになったとします。もし、企業理念が公共の利益を優先するようなものであれば、企業利益を捨ててでも理念に従う必要があります。理念とは国の憲法と同じくらい根本となる行動規範です。
これは個人の仕事でも同じ。仕事の内容そのものは「What?」に当たるもの。自分の仕事のやりかたは「How?」に相当します。しかし、どのような内容、どのようなやり方であっても、そのベースは自分の信念や価値観、人生観に沿ったものでなければいけません。これを軽視して、目の前の仕事がうまくいこうが、経済的に成功しようが、それは意味をなさないのです。 |
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情報に接するとき、それが自分の血や肉となりえるかを吟味しましょう。そのときに重要なのは、自分の価値観であり、人生のテーマ、そこから派生する中短期のテーマやキーワードです。
頭の中にそれらのつながりをしっかり意識していれば、雑多な情報の中から宝の在処を発見するのも容易になりますし、何度も反復学習なんてしなくても、海馬がしっかり頭の中に刻み込んでくれるでしょう。
著者紹介:永田豊志(ながた・とよし)
知的生産研究家、新規事業プロデューサー。ショーケース・ティービー取締役COO。
リクルートで新規事業開発を担当し、グループ会社のメディアファクトリーでは漫画やアニメ関連のコンテンツビジネスを立ち上げる。2005年より企業のeマーケティング改善事業に特化した新会社、ショーケース・ティービーを共同設立。現在は、取締役最高執行責任者として新しいWebサービスの開発や経営に携わっている。
ビジネスマンの「知的生産性の向上」をテーマに精力的に執筆・講演活動も行っている。近著に『知的生産力が劇的に高まる最強フレームワーク100』『革新的なアイデアがザクザク生まれる発想フレームワーク55』(いずれもソフトバンククリエイティブ刊)、『頭がよくなる「図解思考」の技術』『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』『ノート・手帳・メモが変わる絵文字の技術』(中経出版刊)、『すべての勉強は、「図」でうまくいく』(三笠書房刊)がある。
連絡先: nagata@showcase-tv.com
Webサイト: www.showcase-tv.com
Twitterアカウント:@nagatameister
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