集客につながるTwitterとブログ運用の基礎知識:小さな会社のWeb担当者になったら読む本(2/2 ページ)
多くの企業がソーシャルメディアに注目する今だからこそ、Twitterやブログの効果を見直してみましょう。ただ、「炎上」にはくれぐれもご注意を。
多くの企業がソーシャルメディアに注目する今こそ、ブログの効果を見直してみましょう。
ブログ運営の本当の意味とは?
現在、多くの企業がここまで触れてきたFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアに注目しており、ブログを活用している企業は相対的に少なくなっているように見えます。
ただ、そういうときだからこそ、企業のブログ活用を見直すことをおすすめします。ブログは、長い文章を定期的に更新する必要があるため、相性が合わない場合もあるでしょうが、次のような利益に直結するメリットがFacebookやTwitterよりも見えやすいという特徴があります。
1.メインサイトで更新しにくい話題に触れることができる
メインサイトでは扱いにくいカジュアルなネタでも、ブログであれば気軽に更新できます。「自社商品を電車の中で使っている人がいた」「話題にしている人がいた」などといったスタッフの日記や顧客との雑談などのトピックでも、記事として更新しやすいのです。
ブログでしか更新できない魅力的な記事を増やしていければ、自社のファンを増やし、結果的にWebサイト全体のアクセスを増やすきっかけになるでしょう。
2.簡単に更新できる
当然ながら、ログインの権限とインターネット環境さえあれば、誰でもどこからでも更新ができます。
(1)と(2)は、FacebookやTwitterにもあるメリットです。
3.検索エンジンからアクセスを集めやすい
前出のように、FacebookページやTwitterの投稿もGoogleやYahoo!の検索結果に表示されますが、検索エンジン対策で言えば、圧倒的にブログに分があります。内容にもよりますが、ブログは記事を増やせば増やすほど徐々に毎日のアクセス数が増えるため、日々の努力が長期的に実りやすいのです。
TwitterやFacebookが、お客さんを囲い込んで育てていくメディアであるとすれば、ブログは、新しいお客さんをどんどん引っ張ってくるメディアだといえるでしょう。
4.WebサイトへのSEOとして有効
ブログは、Webサイトのサテライトサイト(被リンク用サイト)としても非常に強力に作用します。Webサイトの検索順位をアップさせるためには、関連性の高いサイトからリンクを貼ってもらうことが有効です。
会社で運用するブログは、おそらく公式Webサイトと極めて関連性の高いサイトになりますから、リンク先として大変有効になるわけです。ブログがアクセス数の多い強力なものに成長していけばいくほど、Webサイトの検索結果にもプラスに働きます。
そのほか、ブログは話題になりやすくブロガー同士で相互リンクを貼りあうケースも多いため、リンクをもらいやすい傾向があります。
このようにブログは、SEO上有利な点が多いということを押さえておきましょう。
あらゆる業種に対応できるのも魅力的
TwitterやFacebookと異なり、ブログは業種を選ばず効果があるメディアだといえるでしょう。企業間取引や、めったに購入されないような高額商品でも、商品の魅力を詳しく解説したり珍しい商品名を紹介した記事を書いておけば、すぐに反応がなくても、数カ月後にアクセスが集まるということが起こりえます。
(次回は「検索エンジン対策」について)
→連載「Web担当者になったら読む本」バックナンバーはこちら
著者プロフィール:
山田案稜(やまだ・ありゅう)
株式会社パワービジョン代表取締役。同志社大学哲学科卒業後、システムエンジニアを経て2007年にWEBマーケティング専門会社パワービジョンを立ち上げ、中小企業から東証一部上場企業まで幅広くWEB事業のコンサルティングを手がける。最近は、スタートアップ企業のマーケティングにも積極的に取り組んでいる。
広く一般にもマーケティングノウハウを知ってもらうために、『ビジネス・マーケティングの読書会ビジマ(bizima)』を定期的に開催している。
著書に、『小さな会社のWeb担当者になったら読む本――ホームページの制作から運用・集客のポイントまで』(日本実業出版社刊)、『すぐに使えてガンガン集客! Webマーケティング111の技』『Googleアドワーズ&Yahoo!リスティング広告 最速集客術 〜SEMの極意』(いずれも技術評論社刊)、『WebクリエイターのためのWebマーケティング』(ソシム刊)がある。
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