スポーツでも音楽でも、すごい同世代を知ると焦るし悔しい――それが原動力:世界を変える80年代生まれの起業家(2/2 ページ)
幼少期は親の仕事で外国に住んでいたという鈴木さんは、同世代を強く意識するそう。起業して成功している人や、スポーツでも音楽でも、同世代の偉大な存在を知ると、すごく焦るし悔しいという。でもそれが、仕事の原動力になっていると話す。
早くお金を稼いで好きなことやりたかった
高校生で『金持ち父さん貧乏父さん』(筑摩書房)(※1)を読んで、金融系のキャリアにつきたいと思うようになりました。投資銀行かコンサルティング会社にいきたいと思い大学時代は勉強ばかりしていました。金融、経済学、経営学をやっていたんですけど、おもしろくなくて……。それにリーマンショックで大きな会社が潰れるのを見て、大企業って簡単に変わってしまうんだということに気づいて、考えが変わりました。
それまでは外資系のマッキンゼーとかゴールドマンサックスに入るのがかっこいいなと思っていたんですけど、考えが変わってからは、自分で何かをつくることに関心が向いていきました。それまでは、自分はリーダー的なことはやっていなくて、誰かやってくれる人がいたんですが、『リーダーシップの旅』(光文社新書)(※2)という本を読んで、リーダーシップというのはリーダーになりたいから発揮するのではなく、やりたいことを追求して行く過程でリーダーになり、リーダーという名前が付けられると知りました。自分もやりたいことを追求しようと思い、大学で10人くらいのビジネスサークルを作りました。ベンチャー企業の社長をインタビューする活動をはじめて、起業を意識するようになりました。
その後、カリフォルニアのサンディエゴに1年間留学に行くのですが、ちょうど「ベンチャーっておもしろいな」と思うようになったときだったので、シリコンバレーまで行って、現地の日本人の起業家から話を聞いたりしました。同時期にTwitterが流行りはじめてWebのおもしろさを知り、インターネットで起業することを本気で考えるようになりました。
起業の仲間はツイッターで見つけた
起業仲間は、人の紹介とTwitterで集めました。最初のコアメンバーはすぐに見つかったんですけど、鍵となるiPhoneプログラマーはなかなか見つからなくて、サービスがリリース出来なかったんです。その間に、自分はベンチャー企業向けのイベントに参加したりして、プロモーションは始めていました。あるとき、事業プランのプレゼンイベントで優勝して、評判がネット上で拡がったのですが、それを見たエンジニアの人がツイートしていたんです。この人と一度話してみたいと思い、すぐにダイレクトメッセージを送って、その後彼も創業メンバーとして会社に参画してくれることになりました。(つづく)
著者プロフィール:
山口哲一(やまぐち・のりかず)
1964年、東京生。早稲田大学第二文学部中退。音楽プロデューサー、コンテンツビジネス・エバンジェリスト。
株式会社バグ・コーポレーション代表取締役。『デジタルコンテンツ白書』(経済産業省監修)編集委員。
主な著書に『プロ直伝! 職業作曲家への道』(リットーミュージック)、『ソーシャル時代に音楽を“売る”7つの戦略』(リットーミュージック)、『ソーシャルネットワーク革命がみるみる分かる本』(ダイヤモンド社・共著)などがある。
Web連載:
WEDGE infinity「ビジネスパーソンのためのエンタメ業界入門」
CREAweb「来月、流行るJポップ〜チャート不毛時代のヒット曲羅針盤」
誠ブログ:
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