誰にでも伝わるプレゼン6つのステップ:ボクの不安が「働く力」に変わるとき(2/2 ページ)
「で、結局何が言いたいの?」……このように言われたこと、ありませんか。あなたは説明が下手なのではありません。会話の流れが間違っていただけなのです。
6つのステップをつなげる
では、6つのステップで紹介した例を1つの文章につなげてみましょう。
- 【テーマ】:いまから、○○についてお話しします。
- 【趣旨】:○○について、私の意見では○○です。
- 【背景】:なぜ、私がこのような意見を持つようになったのかと言いますと、○○については○○だからです。
- 【証明】:実は、この間○○ということがあったのですが……(実際の話)。
- 【反証】:もし、○○でなかったら、○○になってしまうでしょう。
- 【結論】:だから、私は○○だと思うんです。
たったこれだけの文章ですが、6つのステップを踏むことで会話の流れができ、論点がハッキリした、論理的なプレゼンをすることができます。
6つのステップを分かりやすく覚え、伝える
このステップを使って文章を書くのなら、「あ〜、なるほど!」になるでしょう。しかし、実際の会話ではそうはいきません。「え〜っと、次のステップは……」のように、考えながら話すのは難しいからです。ましてや、このステップを印刷した紙を持って話すこともできません。
そこでおすすめなのが、きっかけとなる言葉を使って覚える方法です。6つのステップの冒頭でよく使うきっかけ言葉や接続詞をいくつか挙げてみると
- 【テーマ】:「これから」「今から」
- 【趣旨】:「つまり」「要するに」「一言で言うと」「結論からお話すると」
- 【背景】:「なぜ」「なぜなら」
- 【証明】:「実は」「たとえば」「私の経験では」
- 【反証】:「もし」「もしも」
- 【結論】:「だから」「そこで」
このような、短いいくつかのきっかけ言葉や接続詞を使うと覚えやすいです。また、私の経験では、このステップを使って会話を何度も繰り返していくと、「なぜなら……」や「実は……」のように、次に話すきっかけ言葉や接続詞が自然と浮かんでくることが多く、それほど意識しなくても、会話の流れをつかむことができるようになるでしょう。
このように、日常の仕事の中で6つのステップを意識して話すと、あなたの考えをわかりやすく論理的に伝えることができます。
さて……いくらプレゼン力を高める方法が分かったとしても、知識だけではなかなか身につかないもの。プレゼン力を高めるためには毎日実践してみることが一番です。自分ひとりで実践するのもいいですが、せっかくなら、職場全体でチャレンジすることをおススメします。なぜなら、職場全体でチャレンジすると、社員一人ひとりのコミュニケーションレベルが上がるので、職場内のコミュニケーションによるストレスを軽減できるからです。そこで次回は、具体的な文例にも触れながら、この6つのステップを職場の朝会で活かす、実際に筆者が職場でやっていた方法についてお話しましょう。毎日5分ででき、社員のプレゼン力とヒアリング力を高められる一石二鳥の方法です。
あなたは説明が下手なのではありません。会話の流れが間違っていただけなのです。もう、あの人に「で、結局何を言いたいの?」とは言わせません。
関連キーワード
プレゼンテーション | コミュニケーション | 職場 | 上司 | コンサルタント | 会社 | 経営 | ビジネス | 「職場がツライ」を変える会話のチカラ | ボクの不安が「働く力」に変わるとき
関連記事
- 残念にならないプレゼン――ピラミッドストラクチャーを使う
クライアントに分かりやすく納得してもらうプレゼンとそうでないプレゼンの違いは、アイデアがリアルであるかどうか。単なる思い付きではなく、実現できるものであるのか、を見るためでもあるのです。 - 【オンタイム編】“ストーリー”と“ゴール”が決まればプレゼンは成功する
プレゼンをする、となったときにすぐに資料を作り始める人もいますが、資料を作る前に入念な準備をしておくことが成功のカギ。プレゼンの“ゴール”と“ストーリー”を設定し、共有しておきましょう。 - 新任マネジャーは「戦略」「作戦」「戦術」の違いを図解で理解しよう
マネジャークラスの人は、会社の経営のことを念頭において活動しなければなりません。今回は会社経営をピラミッドに例え「戦略と戦術の境界線は?」というテーマで図解してみました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.