国際標準技術の規格策定を行う国際団体International Electrotechnical Commission(IEC)は2月16日、携帯電話が人体に与える影響について懸念が指摘されていることを受け、電磁波の放出量測定に関する新しい国際基準「IEC 62209-1」を公開した。
人間の細胞組織は携帯電話が放出する電磁波によって刺激されるが、それが脳などに与える長期的な影響については科学者の間でまだ論議されている段階だとIECは解説。IEEEなどの標準化団体は健康へのリスクを抑える狙いで、電波の比吸収率(SAR=Specific Absorption Rate)の上限を定めている。
ただこれまでのところ、SARを測定する手法が国際的に統一されていなかったため、結果的に電磁波の放出量はメーカーによって異なり、ユーザーは自分が買った製品がSAR基準を満たしているかどうかを確認する手段がなかったという。
この問題に対応してIECが公開した携帯電話機メーカー向けの新しい国際基準では、SARの測定に関して世界各国で使われているさまざな手法を調整して具体的な測定方法を定めた。メーカーが国際的に認定されたSAR基準を守っていることを保証する目的で利用してもらう。
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