Googleは10月29日、YouTubeの利用者動向や企業の最新活用事例などを広告主に紹介するイベント「YouTube Brandcast Japan 2026」を開催した。同イベントに登壇したグーグル 代表の奥山真司氏は「歴史的な大転換が起きている」と話し、生成AIの利用によって消費者の情報行動が大きく変化していると強調した。
Googleは新たな購買行動のカタチとして「共感」(Hi-Resonance)と、自分が本当に欲しかったものに対する「解像度」(Hi-Resolution)──2つの「ハイレゾ」が高まることで、意思決定が引き起こされる「ハイレゾ消費」を発見したと説明。
「ハイレゾ消費は、これからの購買行動における重要なトリガーとなる」(奥山氏)
ハイレゾ消費を引き起こすには、生成AIを活用した情報行動に加え、国内で月間8000万人以上が利用するYouTubeのクリエイターが生み出すコンテンツも、重要な存在になると指摘した。
「AIと(YouTube)クリエイター、両方が情報源となった時に、その2つはどのような関係性になるのでしょうか」と奥山氏は投げかける。
同社の調査によると、生成AIを日常的に利用する人の2人に1人は、AIへの相談を経てクリエイター動画を見たり、動画を見てからAIに質問したりと、双方向を行き来していることが分かった。その上で、生成AIとクリエイターによるコンテンツに求めるニーズの違いを以下のように説明した。
「AIには選び方のポイントやチェックの要素といった、具体的な提案を求めています。対してクリエイターには、個人的な感想など、いわばリアルな体験に基づく情報を期待しています。つまり生活者は、AIには一人一人に寄り添う提案者としての役割を、そしてクリエイターには信頼できるリアルな体験者としての役割を期待しています。この両輪が、AI時代のハイレゾ消費を加速する鍵になっていくでしょう」
現在YouTubeの国内利用者数は月間8000万人以上。「18歳以上のオンライン人口の、95%以上の生活者と日常的につながっている」と、YouTube Japan代表の山川奈織美氏はメディア力の高さを説明する。
「日本の18〜29歳における全デバイスでのYouTubeの総視聴時間は、全地上波テレビ放送局の合計視聴時間を上回っています。 リビングの大画面から手元のスマートフォンまで、YouTubeは若い世代の日常のあらゆる瞬間に強く溶け込む存在となりました」(山川氏)
山川氏は、YouTubeのコンテンツが生活者の購買行動の在り方を変化させる可能性があると指摘。例えば、あるYouTuberが購入品や愛用アイテムについて動画内で紹介した際、視聴者が動画を見て商品を購入する──など、ファンダムの熱量が直接購買へとつながる事例も見られるという。
「YouTubeで信頼するクリエイターに出会い、その熱量と詳しい解説に共感し、深く納得した上で購入する──『信頼買い』が新しい当たり前になりつつあります」(山川氏)
同社の発表によると、国内で月間7500万人以上のログインユーザーがYouTube上でショッピング関連の検索をしているという。また、ショッピング関連動画の視聴時間は前年比で50%以上増加した。
山川氏は「YouTubeはもはや単に動画を見るだけの場所ではありません。 生活者が能動的に集まり、クリエイターと深い信頼で結ばれ、時にはAIのサポートを得ながら納得のいく意思決定と購入までを体験できる、唯一無二のプラットフォームだと思っています」と説明し、セッションを締めくくった。
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