マイクロソフト、流通業向けWindowsを提供へ

» 2005年02月23日 16時14分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 マイクロソフトは2月23日、小売業向けソリューションであるMicrosoft Smarter Retailing Initiative(SRI)の基盤となるソフトウェアプラットフォーム「Windows Embedded for Point of Service(WEPOS)」を、今春から提供すると発表した。同社初の業種特化型のWindowsとなっており、POS端末の基盤OSとして流通小売業界のユーザー企業をターゲットに、コスト削減の実現などを提案していく。

 同社はこれまで、OPOS(Open Point of Service)技術評議会(会員は187社)、.NET流通システム評議会(同103社)とともに流通業界向けのサービスを展開してきた。2004年12月には、流通業のIT化を支援するため、POS端末向けのソフトウェアの提供を中心にSRIを業界各社とともにワールドワイドの取り組みとして設立している。SRIでは、RFIDのコードの標準化を進めるEPC Globalへの対応など、流通業顧客の情報システムにおいて、基幹システムとの接続や技術サポートを行っている。

 これに併せてマイクロソフトは、Windows Serverをベースに、Systems Management ServerやOperations Manager 2005などにより、リカバリ、管理、モニタリングといった機能を統合的に小売店舗向けに販売していく考えだ。

 この日発表されたWEPOSの特徴は、POS端末での利用を想定し、最適化した組み込み用のWindowsであること。Wndows XP Embedded Service Pack 2をベースに開発されている。プラグアンドプレイに対応しており、スキャナやレシートプリンター、キャッシュドロワーなど小売業向けの周辺装置の管理が容易になるとしている。

 また、Common Class Library(CCL)により、OPOSだけでなくUnifiedPOSやJavaPOSなど各種標準機能もサポートしている。.NET Frameworkも標準で搭載している。

 一方、セキュリティについては、Windows Firewall、パートナー企業によるアンチウイルスソフトウェアのサポート、さらに、プロファイル管理やアプリケーション利用権限の設定、デバイスの追加権限などをロールベースで管理できることも特徴としている。

 同社のPOS分野での取り組みは、2000年にリリースされたWindows CE、2001年のWindows XP Embedded、そして、この日に紹介されたWEPOSに至る。同社のモバイルおよび組み込みOSにおけるロードマップでは、WEPOSの次世代版となる「Coho」(コードネーム)、また、Windows CE 5.0の次世代版、Windows XP Embeddedの次のバージョンが「Windows Longhorn Embedded」として2005年に提供される予定になっている。

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