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» 2005年03月25日 15時59分 公開

携帯とVoIPを単一電話番号で橋渡し〜ブリッジポートネットワークス

携帯電話の1つの電話番号で、携帯も、IP電話も、固定電話も利用できる──そんなサービスを可能にするソリューションが、もうすぐ日本に上陸する。

[吉岡綾乃,ITmedia]

 米BridgePort Networksは3月24日、アジア市場への業務拡大の一環として、日本法人「ブリッジポートネットワークス」を設立することを発表した。同社は、IPネットワークと携帯電話網を結ぶコールエージェント「NomadicONE Network Convergence Gateway」(以下N1-NCG)を中心にしたソリューションを、主に通信事業者向けに提供する。

BridgePort NetworksのCEO、マイク・ムリカ氏(左)、ブリッジポートネットワークス社長の袴田哲也氏(右)

エンドユーザーが単一電話番号で複数の端末を使える「マルチデバイス」サービスを、通信キャリアに提供

 通信事業者はN1-NCGを導入することにより、ユーザーが持っている携帯電話の1つの電話番号に、固定電話やIP電話などをシームレスに統合するサービスを提供できる。ユーザーは1つの電話番号、1つの端末を使い、ホットスポットや家庭のDSL網が使えるところではIP電話として、それ以外のところでは携帯電話や固定電話として、切り替えを意識することなく通話できるようになる。

ブリッジポートネットワークスが提供するのは、携帯電話網とIPネットワークをつなぐソリューション。音声通話だけでなく、メッセージサービスも同じ仕組みを利用する

 まだN1-NCGを組み込んだシステムでサービスを提供している事業者はないが、加ベルカナダが計画を発表しているほか、米のMVNOであるアメリカオンラインなど2社が年内にサービスを開始する予定だという。日本でも携帯キャリアと話し合いを進めており「18カ月以内に商用化を目指している」(ブリッジポートネットワークス社長の袴田哲也氏)とする。

 N1-NCGの実体は、呼制御ソフトウェアであり、Linuxサーバー上で動くOracleデータベースだ。メッセージセンターに着信があると、HLR(Home Location Register、通信キャリアが持っている、端末の位置情報データベース)に問い合わせを行い、ユーザー(端末)がどこにいて、どのような状態か(無線LANにつながっている、GSMネットワークにつながっているなど)を確認。N1-NCGはその情報を元に、適切な通信方法を選んで端末を呼び出す。

N1-NCGを使ったシステムの仕組み。メッセージセンター(MSC)に着信すると、HLRを参照して端末のいる場所や状況を確認。N1-NCGが適切な接続方法を判断して、例えば端末がホットスポットなどにいれば、IPフォンとして接続する

 「我々のサービスは複数あり、分かりにくいかもしれないが、ポイントは2つだ。まず、1つの携帯番号で、固定もIP電話も携帯電話も、すべてに対応すること。そしてもう1つは、携帯のサービスを、携帯電話の網からも、インターネットからも利用できるようにすること、この2つに集約できる」とムリカ氏は説明する。

 「人々の生活で一番大事なのは、携帯の番号になってきている。しかし実際には、さまざまな種類の電話が混在し、サービスとネットワークとが1対1になっていない。自分の好みで(サービスやネットワークを)ミックスできれば便利になる」とムリカ氏。例えば携帯電話宛の電話を固定番号に着信させる場合に、家族それぞれで違う着信パターンで鳴り分け、固定電話でも誰宛の電話か分かるようにする、といったこともできるという。

企業向けにもマルチデバイスサービスを

 N1-NCGを使えば、このような“1つの電話番号を複数の端末に割り当てる(=マルチデバイス)”サービスだけでなく、“無線IP電話と携帯電話の両方の機能を持つ端末(=デュアルモードフォン)”の運用サービスも提供できる。

 実際に、デュアルモードフォンもデモ運用中だ。たとえば仏カンヌで開かれた「3GSM World Congress 2005」や、米サンノゼ「SpringVON」などのイベントでは、「MobileVoIPLive!」という名称で、一般ユーザーが会場内の無線LANネットワークにローミング接続した状態で、通話、SMSなど、携帯電話と同じ機能を同じ番号で利用できる、デモンストレーションを行った。

GSMとWiFiの両方に対応した端末を利用した、MobileVoIPLive!のデモ

 携帯と無線LANのデュアルモード端末というと、NTTドコモが展開するFOMA N900iLや、N900iLを核とするモバイルセントレックスシステム、PASSAGE DUPLEX(パッセージ・デュプレ)を思い出すが、袴田氏は「PASSAGE DUPLEXに対抗するつもりはないし、企業向けにはデュアルモードフォンよりもむしろ、マルチデバイスサービスを打ち出した方が、特徴を出していけると考えている。IP-PBXをホスティングするなどして、企業が設備投資の負担を負わずにマルチデバイスサービスを提供する、というビジネスはありだと思う」と述べた。

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