連載
» 2005年04月19日 01時41分 公開

機能性とファッション性〜二極化進む携帯韓国携帯事情

韓国端末といえば、7Mピクセルカメラなど高機能化の流れに注目が集まる。しかし一方で、ファッション性を重視した小型端末も多数登場している。

[佐々木朋美,ITmedia]

 高画質カメラやDMBに対応するなど、韓国でも携帯電話の高機能化が進み、合わせて端末の大型化が急速に進んでいる。しかしこれに反するように、ファッション性を重視した小型端末も多数登場し、端末の二極化が進んでいる。

高機能化に伴い、首かけ式からバック内に

 カメラ、MP3、DMB……と高機能化が進んだ昨今、韓国でも日本に負けず劣らず端末の「巨大化」が進んでいる。実際に日本の端末と比べてみても、ほとんど遜色ない大きさの端末が増えた。それらを多くの人が違和感なく使っている。

 東芝の「A5304T」や「V302T」、さらには日本でも比較的大型といえるカシオの「A5403CA」をベースとした端末もリリースされている。「高機能だけど大きすぎて世界で受け入れられにくい」といわれてきた日本製端末が、今の韓国では受け入れられ始めている。

 端末の大型化が顕著になってきたのは、2002〜2003年あたりと考えられる。モノクロが主流だった時代は、小型・軽量であることが求められ、社員証のように端末を首にぶら下げて持ち歩くスタイルが流行していた。しかしカラー化・カメラ搭載など端末機能の進化が進むと共に、徐々に大型・重量化が進んでいった。これに伴い、持ち歩くスタイルも、首かけ式からポケットやバッグに入れて持ち歩く方向に変わっている。

 特に最近、DMB対応、HDD内蔵、700メガピクセル、カムコーダといった日本の端末をも超える超高機能携帯電話が続出し、この傾向に拍車をかけている。

 韓国ではディスプレイのQVGA化が進んでいない分、全体的に見るとまだ日本より小さいという印象を受ける。ただしDMBフォンやカメラフォンなどを見ても分かるとおり、機能重視の傾向がより強いので、日本の携帯電話のサイズを追い越す日もそう遠くないかもしれない。

(左)衛星DMBに対応した初の端末ということで有名な、Anycall(Samsung)の「SCH-B100」。123.1×49×25ミリ、171グラム。内部メモリは約70Mバイトで、外部メモリはRS-MMC対応。TV-OUTケーブルでつなげば、衛星DMBの放送をテレビでも見ることができる。このほか、Anycallでは、7メガカメラ携帯「SCH-V770」を前回のCeBITで発表しているが、その大きさは、127×52×27ミリ(3月10日の記事参照)
(中)CYONの「LG-LP3800」は、98×52.4×25ミリ、130グラム。端末下にあるセンサーで指紋認証ができ、モバイルバンキングをはじめとした操作でのセキュリティ効果をアップさせている。
(右)専用Webサイトもあるほど人気の端末シリーズ「CAN U」は、日本のカシオ製品だ(キャリアはLG Telecomのみ、販売はパンテック&キュリテル)。その第4弾が写真の「W21CAII」で、韓国でも近々発売予定だ。色は日本とは違い、ポップな黄色を採用している

小型携帯電話は、ファッション性重視に

 大型化が進む一方の韓国端末だが、最近になってそれに異を唱えるかのように「小型化」を強調する端末も出てきている。日本でもNTTドコモから超小型の「premini」シリーズが登場したが、こういった動きは韓国でも共通のようだ。

 中でも飛び抜けた小ささを誇るのが、Motorolaの「MS400」とパンテック&キュリテルの「PH-S4000」だ。前者はスライド、後者は回転式とタイプは異なるものの、いずれもスティック型の端末というのが共通した特徴だ。これは同じ形状の「MP3プレーヤー」としての使用を意識したもので、MS400は最大50曲、PH-S4000はminiSDカードスロットを内蔵したMP3プレーヤーとして利用できる。

 小型端末が意識しているのは「ファッション性」だ。

 普及率が高まって市場が飽和し競争の激しい韓国市場では、携帯電話の機能アップによる大型化は今後も避けられない。しかしこの流れが進むほど、携帯電話を身に着ける場所やデザインに制約が出て「身に着ける」ファッション性が失われてしまう。

 そこでこれらの端末は、形状やデザインもシリコンオーディオプレーヤーに限りなく近づけてファッション性を強調。さらに小型・軽量化によってMP3プレーヤーの流行である「首かけスタイル」も気軽に実現できるようになっている。

 じつはこうした小型化傾向は、韓国では携帯電話のみならず、デジタルカメラやMP3プレーヤーなど、デジタル機器全般で見られている。

 これまで、「韓国の携帯は日本より小さい」というのが一般的な認識だった。しかし端末の急速な進化と多様化によってそのイメージは大きく崩れ、「普遍的で高機能」と「デザイン重視」と二極化しつつある日本の状況に近くなっている。

(左)Motorolaの「ミニモト」こと「MS400」。90×32.4×21.2(mm)、99グラムで、外部メモリにはTrans Flashを採用。広告ではキュートさを強調している。
(中)パンテック&キュリテルの「PH-S4000」。80.5×37.5×26.6ミリ、80グラムで、カラーはメタリックシルバー、レッド、ブルーの3種類
(右)Anycallの「SCH-S350」。85×43×21.5ミリ、85グラム。カラーはノアブラック、ミドルシルバー、シスレーピンク、ホワイト、レッドと豊富。「軽い、洗練、便利」というキャッチコピーが、小型端末のすべてを物語っている

佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。

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