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2005/07/13 03:58 更新

キーマンが語るワイヤレス業界のこれから:
裾野が広がるモバイルコンテンツビジネス──モバイル・コンテンツ・フォーラム (1/4)

かつてモバイルコンテンツといえば、待ち受け画像と着メロが代表例だった。しかし今や携帯電話は、音楽配信のようなリッチコンテンツや、物販、チケットなどを売買するツールになりつつある。

 1999年のiモード登場以降、急成長を遂げたモバイルコンテンツ市場。当初は待ち受け画像や着信メロディなどのコンテンツが中心だった同市場も、今では「着うたフル」などリッチコンテンツが躍進し、物販やチケット販売などモバイルコマース市場の成長も著しい。モバイルコンテンツ市場の現状について、モバイル・コンテンツ・フォーラム事務局長の岸原孝昌氏に聞いた。

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モバイル・コンテンツ・フォーラム事務局長の岸原孝昌氏

携帯ならではの市場特性

ITmedia モバイルコンテンツ産業は1999年のiモード登場以降、急速に成長してきています。その中で、第3世代携帯電話(3G)の登場や、最近の例では「リアル連携」や「eコマース」への取り組みといった流れがあるわけですが、市場の成長に伴う内部的な変化という部分を教えていただけますか。

岸原 最近の動向では、他の産業が「モバイルを使って新たなビジネスができる」という認識になってきたのが、大きな変化であり、モバイルコンテンツ市場への影響も大きかったのだと思っています。

 2002年〜2003年くらいまでの急成長期は(携帯電話内で完結する)モバイル産業内での内部的成長がメインだったのですが、3Gの登場でパケット定額制が実現した事により、外部(産業)との連携ができるようになりました。モバイルコンテンツ産業の中では大きな変化はなく、以前からあったリッチなコンテンツも扱いたいという部分が、技術的に実現できるようになったという変化です。

ITmedia 技術の進歩が「できること」を増やしていったわけですね。金額ベースでの“伸び”は、市場範囲の拡大と影響しているのでしょうか。

岸原 今のところで言うと、急成長を遂げたのは加入者の増加によるところが大きいですね。(iモードなど高機能型サービスの)加入増に伴って、モバイルコンテンツ産業の市場規模も拡大していますから。

ITmedia “携帯電話ならでは”の市場特性といいますか、他のコンテンツ産業との違いのようなものはあるのでしょうか。

岸原 携帯電話の場合、コミュニケーションと端末カスタマイズという点が(他のコンテンツ産業と違う)特徴の部分だと思います。ここに関わったコンテンツは大きく伸びている。例えば着信メロディなども、携帯電話端末と結びついて消費するものだから売れたという側面がある。初期のモバイルコンテンツ市場は特にそうなのですが、携帯電話への依存性が高いのですよ。これがPCならば、(PCをカスタマイズする)MIDIデータの販売はビジネスにならなかったでしょう。

3Gの登場で、市場に広がりが生まれた

ITmedia そういう意味では、初期のモバイルコンテンツ市場は内需中心といいますか、自己完結型のコンテンツビジネスが多かったのかもしれません。しかし3G登場以後、eコマースやリッチコンテンツ、メディア連携など、状況に変化が起きました。

岸原 そうですね。特に通信料金の低廉化と表現力向上の影響は大きかったと思います。例えばeコマースでは、2G時代は写真があまり使えませんから、テキストだけで商品性が訴求できる「記号化」された商品しか扱えなかった。しかし3Gの今では写真が扱えますから、スウィーツ系が売れる、各地の特産品が売れる、といった現象が起きています。

ITmedia 固定網インターネットの世界でも、ADSLやFTTHの普及がeコマースの後押しをしましたが、それと同じことが携帯電話の3Gで起きている。

岸原 eコマースに関しては、ビジネスモデルは2G時代から何も変わってないのですよ。商品の情報を提示して、お客様にご購入いただく。変わったのは表現力の部分です。商品情報を増やして、訴求力を上げていけば、売り上げは伸びていくわけです。

ITmedia つまり、3Gの好影響を受けやすいという事ですね。

多くの著作権を扱える企業が伸びる

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