次に向かったのが、博多区内の賃貸マンション「アテネOP博多」だ。ここは賃貸のほか、一部の部屋がデイリーマンションとしても利用されている。
アテネOP博多は住吉神社のすぐ隣にあり、博多区内にありながら、そこに至るまでは閑静な住宅路が続く。隣に神社の森があるため、マンションまでの街路には木々が影を落とし、周辺は静かで住環境がよい。しかしそれは一方で、セキュリティ上の不安を招くこともある。そのため同マンションでは、おサイフケータイ対応の電子錠はもちろんのこと、ケータイと連携する様々なセキュリティ機能を備えている。
集合玄関が「鍵穴なし」のTVカメラ付きオートロックである点はジョイナス吉塚と同じだ。アテネOP博多の場合、賃貸/デイリーマンションのため集合ゲートは1つだけ。デイリーマンション利用者は、事前に送られてくるFeliCaカードか、おサイフケータイ用のアプリを使って解錠する。
「(ジョイナス吉塚と同じく)オートロックに鍵穴はありませんから、鍵の管理はサーバー上の鍵情報の更新だけでできます。賃貸マンションやデイリーマンションでは、分譲マンションよりも利用期間が過ぎたユーザーの鍵管理が重要になりますが、電子錠ならばデータを書き換えるだけ。紛失や合い鍵が作られてしまうといった心配はないのです」(山崎氏)
今回は、デイリーマンション用の部屋に通された。室内にはベッドや家具はすでにあり、ホテル感覚で使える。玄関がFeliCa電子錠であり、ここに有効期限内のカードやおサイフケータイをかざせば室内に入れる仕組みだ。なお、FeliCa電子錠のユニットは通信経由でサーバーと繋がっており、利用期間の設定は簡単に設定・変更できる。
ジョイナス吉塚との違いは、立地条件によるセキュリティニーズの高さによって設けられた監視カメラ群だ。マンション敷地内には7基のネットワークカメラと、1基のFOMA対応TV電話監視システムがあり、入居者は自由に利用できる。特にエントランスに向けて設置されたTV電話監視システムは、駐車場までチェックできるため好評だという。
「これらの装備が評価されて、賃貸物件に関しては周辺相場の25%高ながら満室になっています。電子錠をはじめとするケータイ連携サービスは、物件紹介時にお客様に安心感を感じてもらうのに最良のツールだと実感しています」(山崎氏)
ジョイナス吉塚、アテネOP博多と2軒のおサイフケータイ対応マンションを取材したが、実際に見てみるとそれは「うちのマンションにも欲しい!」と素直に感じさせられるものだった。取材中にも、住民がマンション内に入る場面を何度も見かけたが、彼らの生活には自然に“かざす”動作が溶けこんでいる。
明日の時事日想では、ジョイナス吉塚/アテネOP博多に入居する住民のインタビューをお届けする。
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