8月23日、首都圏新都市鉄道とビットワレットが「つくばエキスプレス」駅構内にEdy対応の自動販売機を設置すると発表した(8月23日の記事参照)。つくばエキスプレス駅構内にはam/pmも出店するため、ちょっとした“Edy村”ができあがるようだ。
筆者は以前から、自販機と電子マネーは相性がいいと考えている。キャッシュレスというのはユーザーと事業者の両方にメリットがあり、小銭が発生する心配なく「電子マネーなら115円」といった細かい値付けもできる。また、同じ自動販売機で毎日買うような利用者向けに割引をするといったサービスを行えば、固定利用客の獲得促進もできるだろう。
さらにおサイフケータイは、オンラインチャージ機能が使えるので、電子マネー利用がさらに便利だ。おサイフケータイ対応自販機の草分けである、コカコーラ社の「シーモ2」(2004年8月20日の記事参照)ではオンラインチャージ機能が用意されていないが、今回のEdy対応自販機ならば、Edyのオンラインチャージが利用できる。
他にも、本人性確認が取れていて、“個人のもの”という概念が強いおサイフケータイならば、アルコール飲料は未成年者に売らないといった年齢制限もできるだろう。すでにタバコ自販機は非接触ICによる年齢識別装置導入を決めており、改良型酒自販機も成人識別装置の導入を決定している。これらの取り組みに、おサイフケータイが関われる部分はあると思う。
また、電子マネー自販機には、「ユーザーリテラシーを高める」効果もある。
以前、おサイフケータイ所有者で、電子マネーをはじめとするFeliCa機能を使っていないユーザーにヒアリングをした事があるのだが、利用しない最大の理由が「(初めて使う時に)失敗したら恥ずかしい」「店員に利用を言い出しにくい」というものだった。
恥を忍んで白状すれば、筆者もおサイフケータイを使い始めた当初、レジでの支払い時にFeliCa接触面を間違えて支払いができず、焦ったことがある。店員を目の前に初めておサイフケータイを使うのは、ユーザーによっては勇気のいることだろう。
しかし、これが自販機ならば、相手は機械なので「練習台」としてのハードルは低い。街中にたくさんあれば、なおさらだ。自販機相手に電子マネーの利用に慣れれば、店舗など他のシーンでも積極的に使えるようになるだろう。
電子マネーは現在、全国的に展開するEdyと、関東の駅構内を中心に展開するSuica電子マネーがつばぜり合いをしており、シーモ2のように独自のバリューを使うものもある。自販機ベンダーや設置者にとって、「どれに対応すればいいのか」と判断が難しい事情もあるのだろう。全国に約432万台(2004年末)が設置されている自販機。日本自動販売機工業会など業界団体が積極的にリーダーシップをとり、おサイフケータイへの対応と活用に乗り出せば、大きな市場効果があると思うのだが。
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