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» 2005年12月27日 23時34分 公開

3Gの成熟で進む、携帯のセグメント化と多様化2005年の携帯業界を振り返る(1)(4/5 ページ)

[聞き手:房野麻子,ITmedia]

プラットフォームの共通化で売り方が変わる

ITmedia 今年は去年に比べて発売された端末が10〜15機種程度多い年でした。セグメント化が進んで、いろんなタイプの端末が出たという特徴があった反面、細かくなりすぎてロングセラーや爆発的に売れるということがなかったとのも今年の特徴だと思うのですが。

神尾 もう爆発的に売れる時代ではないと思います。

斎藤 賛成。

神尾 1機種が何百万台も売れる時代じゃなくて、メーカーは、「ひとつの

プラットフォームでトータルでこれだけ売れました」というのを競う時代なんです。逆にいえば「この世代のこのプラットフォームでこれだけ売れればいい」という計算でやっていかなくてはいけない。1台でメーカーの命運が左右されるようなビジネスをしてはいけないと思うんです。

斎藤 ただ、シャープはいろんなプラットフォームを使って作っていますが、ほかは全部ひとつのプラットフォームに命運をかけちゃってますが……

神尾 1プラットフォームに対して派生機種を数機種出して、トータルで従来と同じくらい取れればOK、というくらいの感じで考えていかないと。もちろん、だからこそプラットフォーム開発の重要性は増します。もはや端末1機種で見る時代ではないと思いますよ。

斎藤 ドコモのプラットフォーム化はよく言われていますが、実はauも今年、プラットフォーム化を非常に進めています。某社さんは、1XもWINも全部プラットフォーム統一で作っています。カメラもクアルコムのチップに直結する形で、ものすごく単純化していうと、メモリとクアルコムのチップにアンテナを付ければもう携帯電話、という世界です。特にスゴイな、と思ったのは、明らかにWINチップの方が高いのに、1X端末もWINのチップを載せている、という点です。

神尾 ハッキングしたら、1XがWINになっちゃいそうですね(笑)

斎藤 端末を開ければ分かりますよ(笑)。チップは全く一緒なので、アンテナをもう1個付ければWINだ、って話なんです(WINはアンテナが2個必要なので)。1Xのチップを使うより、その方が最終的に安くつく。ここまできているんだな、と思いました。

ITmedia 日本メーカーは海外市場で不振が続いています。どこが悪いのでしょうか。メーカーは海外に出たいと考えていると思うのですが、どこを変えたら海外でもやっていけるようになるでしょうか?

神尾 精神論になっちゃいますが、そもそもキャリアに買い上げてもらえると思って作っていたのがいけなかった。貴族に仕える仕立て屋のようにキャリアのオーダーメードばかり扱ってきたから、技術力は高くても、レディメードやカスタムメードでのビジネスが下手なんです。

斎藤 もうひとつ現実的な話をすると、日本メーカーはボリュームが圧倒的に小さい。日本のメーカーを全部足しても、シェアで10%いかないぐらいです。Nokiaは1社で世界の3割持っているわけで、これでは同じ端末を作ってもコストが全然違う。勝負にならないですよ。挽回するポイントは特許関係かな、と思います。ドコモが特許を結構持っているので、W-CDMAだったらGSMのときほど不利な戦いにはならないのでは、と。ただ、端末メーカーが、というよりはドコモが、という話ですが。

ITmedia シンガポールなどは所得が高いし、みなさんとても良い携帯電話を使っています。そういう中で、日本の機種を使っている人を1人も見ない、という現実は寂しいですね。

神尾 日本の携帯電話メーカーは、海外に関してはブランディングとマーケティングで失敗してますからね。また、生産面ではグローバルなプラットホーム共有が必要ですが、最終的な商品企画では地域市場のニーズや、各国の携帯電話ビジネス事情に合わせなければならない。そういった諸々の経験値が足りてないんだと思います。

斎藤 日本人はSamsungを一流ブランドとして見てないけれど、海外ではソニーよりも上のブランドに見られている、というのを日本人はそろそろ意識した方がいいかもしれないですね。

携帯で音楽を楽しむためのツールがパッケージされた音楽ケータイも各種登場した。左からauの「W31S」、ドコモの「Music Poter II」、ボーダフォンの「803T」

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