九州のSA・PAで、4種類のFeliCa決済を体験してきた神尾寿の時事日想・特別編(2/3 ページ)

» 2006年04月04日 14時09分 公開
[神尾寿,ITmedia]

Edyは利用できる場所の多さとダブルマイルに期待感

 Edyは金立SAの下りや広川SAなどで利用できる。利用可能なSA・PAはiDに次ぐ17カ所である。

 Edy対応SAで興味深かったのが、リーダー/ライター設置数の多さだ。他のクレジット決済サービスは、SA・PA内でも1〜3カ所の限られた店舗やレジにしか置かれていないが、Edyは販売店やレストランはもちろん、軽食コーナーやSA内のベーカリーなど多くの場所にリーダー/ライターが設置されていた。クレジット決済サービスよりも早期に普及しただけあって、Edyのリーダー/ライターは小型化・簡易化が進んでいるが、それが功を奏しているようだ。レジ内の設置状況もスマートだ。

 また、テナント側はEdyの異業種連携に期待している。すでに全日空のANAマイレージクラブと連携した「ドライブでEdyダブルマイルキャンペーン」が始まっているが、

 「大型連休になれば(飛行機に乗って訪れる)本州からのお客様も増える。Edyのダブルマイルのようなキャンペーンには期待しています」(風月フーズ事業本部長崎自動車道金立サービスエリア支配人の前沢輝行氏)

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photophoto Edy対応のSA・PAでは、Edy対応レジの多さが目立つ。販売店やレストランだけでなく、軽食コーナーやベーカリーまでリーダー/ライターが設置されていた

利便性向上と混雑緩和に期待感――QUICPay

 QUICPayは古賀SAの上りなど8カ所に設置されている。実験開始初日はブース設置によるキャンペーンなどは行われていなかったが、JCB九州によるパンフレットの配布や、加入申込書の設置などが行われていた。

 利用できるのは販売店とレストランで、古賀SAでは3カ所にリーダー/ライターが設置されていた。QUICPayのリーダー/ライターはやや大型で、配線の取り回しに店舗側が慣れていないせいか、レジ内の設置は窮屈な印象を受けた。

 今回、4方式のFeliCa決済システムをまとめて見て感じたのであるが、SA・PAの販売店のようにレジ周辺が狭くて煩雑な環境に導入するには、「リーダー/ライターの大きさ」や「配線のしやすさ」はかなり重要だ。EdyやiDはリーダー/ライターが小型で、レジ内でもすっきりと設置されているのに対して、QUICPayやスマートプラスはテナント側の苦労の後が見て取れた。

photo QUICPay対応のレジ。レストランと販売店に設置されている。他方式と比べるとリーダー/ライターが大きく、特に販売店では窮屈そうだ

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