QUICPay導入への期待について、古賀SAのテナントであるロイヤルホールディングスロイヤル古賀サービスエリア店支配人の荒木信治氏は、「利便性向上と混雑緩和」と述べる。
「SAでは観光バスのご利用が多いのですが、(観光バスでは)休憩時間が10〜20分と限られています。ですから、観光バスが到着するとお客様が一気に増えてレジが混雑します。レジの決済がこの混雑に追いつかないと、せっかくのお客様の購買を逃してしまう。ですから、(QUICPayの)決済が簡単でスピーディーという点には期待しています」(荒木氏)
しかし、一方で課題もある。これら観光バスのお客様は「中高年が中心」だということだ。
「キャリアや(FeliCa決済)事業者の皆さんには、中高年のお客様がQUICPay(などFeliCa決済)をご利用いただくように啓蒙活動をしてほしいと思います。SAのビジネスから考えると、年配のお客様が大切です。我々の立場から申し上げると、リーダー/ライターの汎用性がない点も大きな不満です。早期にクレジットカードのような相互利用・汎用性を実現してもらいたい」(荒木氏)
今回のSA・PAの取材の中で、テナント各社からはFeliCa決済に対する「期待と不満」が多く聞かれた。これらの声の多くは、ロードサイドビジネス全体に共通するものばかりだ。実験に参加するFeliCa決済事業者は真摯に耳を傾けるべきだろう。
周知のとおり、東京などの大都市圏を除けば、経済はクルマとロードサイドを軸に動いている。おサイフケータイおよびFeliCa関連ビジネスは鉄道を軸にした都市型のサービスとして普及期に入ったが、今後の成長と拡大を鑑みれば、ロードサイド市場の獲得は重要である。
今回、西日本高速道路の実験に参加したFeliCa決済4社だけでなく、おサイフケータイに関わるすべての企業がロードサイド市場の重要性にもっと目を向けてほしいと思う。
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