MM総研は4月24日、2005年度通期(2005年4月〜2006年3月)の国内携帯電話出荷状況の調査結果を発表した。総出荷台数は前年同期比5.2%増の4625万台で、2年ぶりのプラス成長になった。
携帯の対人口普及率は7割を超えて飽和状態に近付いているため、年間純増数は減少傾向にあるが、累計加入者数は1年前に比べて479万件増加して約9179万件。このうち53%が3Gサービス加入者で、2006年度末には75%、2007年度末には87%が3Gサービス利用者になるだろうと予測している。
メーカー別シェアでは、シャープが前年同期比20.2%増の755万台を出荷し、初めてシェアトップに躍り出た。2位は僅差でパナソニックモバイル、8期連続首位だったNECは3位となっている。
なお、メーカー別シェアは2004年度下期以来混戦状態が続いており、半期ごとで見るとNEC、シャープ、パナソニックモバイルの3社間でトップが絶えず入れ替わっている。
シャープはドコモとボーダフォン向けに端末を出荷しており、2005年度上期はボーダフォン向け2G端末の需要が高まり、出荷量が大幅に増えた。下期には「903SH」(記事一覧)や「804SH」(記事一覧)といったボーダフォン向けの商品がヒットしたほか、ドコモ向けのFOMA 90xシリーズも好調だった。今後はKDDI向けにも端末供給予定で、さらに強みを発揮しそうだ。
2位は前年同期比1.8%減の746万台を出荷したパナソニックモバイル。「カスタムジャケット」の人気を維持したことに加え、LEDを使った光の演出などがユーザーに人気を博した。
3位は昨年度1位のNEC。MM総研ではシェア低下の原因について、“Nの代名詞”と言われた折りたたみ型の端末が増えた結果、優位性が薄れてきたため、としている。しかし2005年度下期にはデザイン重視の「N702iD」(記事一覧)など斬新な端末を発表しており、2006年度には国際ローミングに対応した「SIMPURE N」(3月7日の記事参照)や、HSDPA対応端末の出荷が見込まれるため、シャープやパナソニックモバイルと首位争いを展開するだろう、と予測している。
4位の東芝は前年同期比75.4%増の619万台で、上位メーカーの中では最も伸びている。東芝はボーダフォン向けの「904T」(記事一覧)やau向けのHDD搭載携帯「W41T」などのフラグシップ端末を持っていることが強み、とMM総研では分析している。
メーカー | 出荷台数 | 出荷前年比 | シェア | シェア増減 |
---|---|---|---|---|
シャープ | 755万 | +20.2% | 16.3% | +2.0% |
パナソニックモバイル | 746万 | −1.8% | 16.1% | −1.2% |
NEC | 730万 | −10.6% | 15.8% | −2.8% |
東芝 | 619万 | +75.4% | 13.4% | +5.4% |
富士通 | 365万 | +11.3% | 7.9% | +0.4% |
三洋電機 | 326万 | −23.1% | 7.1% | −2.5% |
三菱電機 | 321万 | −3.0% | 6.9% | −0.6% |
ソニー・エリクソン | 293万 | −15.3% | 6.3% | −1.6% |
その他 | 470万 | +14.6% | 10.2% | +0.9% |
合計 | 4625万 | +5.2% | 100.1% | − |
MM総研では、2006年度の携帯電話市場について、加入者の純増ペースは鈍化するも、ナンバーポータビリティ導入によって一定数の買い換え需要が発生するだろうと見ており、2006年度の端末出荷台数を前年度比10.5%増の5110万台と予想している。実現すれば、2003年度以来、3年ぶりの5000万台突破となる。
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