MM総研は10月20日、2004年度上期の国内携帯電話出荷状況の調査結果を発表した。総出荷台数は前年同期比17.9%減の2110万台に留まり、2年ぶりのマイナス成長となった(10月14日の記事参照)。
メーカー別のシェアで見ると、1位NECと2位パナソニック モバイルの差が縮まり、さらに3位シャープと4位三洋電機も躍進。上位メーカーと下位メーカーの差が縮まっている。
トップシェアのNECは7期連続でトップを守った。しかし出荷台数は前年同期比で33.4%の減少、シェアも4.5ポイント下がった。MM総研は「N900iシリーズが売れ筋上位にランクされたが、前年のような大ヒット商品に恵まれなかった」と分析している。
2位のパナソニック モバイルも、昨年のヒット端末「P504iS」や「P505i」に代わる端末が伸び悩み、前年同期比13.3%減。しかし市場全体が縮小する中で、シェアは1ポイント増加して17.7%。
シャープは、ドコモ向け「SH900i」や、ボーダフォン向けの「V602SH」「V402SH」が人気を博し、前年同期比14.9%増と過去最高の出荷台数を記録した。シェアは15%に達し、2位に迫る勢いだ。
4位の三洋も前年同期比20.9%増の高成長。特にau向けが好調で、「A5503SA」「A5405SA」「W21SA」など複数機種がヒットした。シェアも10.4%となり、昨年の7位から4位へ飛躍した。
メーカー | 出荷台数 | 出荷前年同期比 | シェア | シェア増減 |
---|---|---|---|---|
NEC | 405万 | -33.4% | 19.2% | -4.5% |
パナソニック モバイル | 373万 | -13.3% | 17.7% | 1% |
シャープ | 317万 | 14.9% | 15% | 4.3% |
三洋電機 | 220万 | 20.9% | 10.4% | 3.3% |
ソニー・エリクソン | 175万 | -25.5% | 8.3% | -0.8% |
東芝 | 173万 | -25.1% | 8.2% | -0.8% |
富士通 | 148万 | -15.4% | 7% | 0.2 |
三菱 | 138万 | -44.4% | 6.5% | -3.2% |
2004年度の携帯出荷台数は、対前年比12.1%減の4390万台になると、MM総研は予測。カメラ付き携帯買い換えの一巡などのほか、キャリアが販売促進費用(インセンティブ)を抑えたことも理由の1つだ。「現に、1円端末など低価格で販売された機種は爆発的に売れている」(MM総研)。
2005年度の携帯市場は4480万が見込まれ、うち74%が3G端末となるとMM総研は予測している。
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