Googleは、台湾・台北市に構えるハードウェアの研究開発拠点や、そのラボ内で行われているPixelシリーズ向けの試験などを公開した。Pixelの設計、開発は、Googleが台湾メーカーのHTCから引き継いだチームが携わっている。米国外で最大級となるハードウェアの研究・開発拠点だが、単に規模だけでなく、台湾にあることでのメリットも大きいという。
Googleのハードウェアエンジニアリング担当のVP(バイスプレジデント)を務めるエルマー・ペン氏によると、台湾はGoogle以外にも半導体ベンダーのTSMCをはじめとするサプライチェーンが集積されており、「開発スピードの速さと連携の容易さがある」という。半導体メーカーやサーバ関連企業などが、「車で数時間の距離にある」ため、開発の迅速化を図れるという。
特にPixelは垂直統合のアプローチで開発されているため、チップセットの設計からクラウドサービスまでを一手にGoogleが担っている。それら全てのレイヤーで、サプライヤーとの連携をスピーディーかつ密接に行える。プロトタイプ作成やそのテストなどをGoogleで行い、そのフィードバックをすぐに返せるのもメリットだ。
台湾オフィスでは、製品の検証から試作、量産設計までを行えるようになっており、試験環境も備えている。その1つが、「デザインラボ」。ここでは、Pixelシリーズの構造設計や素材の測定などを行っている。「Pixel 10 Pro Fold」に搭載された、ギアレスのヒンジも、このラボで開発されたという。
Pixel 10 Pro Foldのヒンジは、100以上の精密な部品を組み合わせて作っており、一般的なそれとは異なり、ギアを一切使用していない。この設計の結果、ヒンジの小型化と同時に、耐久性の向上が実現している。実際、以下の写真のように、内部にはギアがなく、チリや砂などをかまない仕様になっている。
同機がフォルダブルスマホながらIP68という高い等級に対応しているのは、そのためだ。一般的なフォルダブルスマホとは異なり、Pixel 10 Pro Foldはビーチや砂場などでの使用が可能。ヒンジ内部のギアに砂やチリを巻き込まず、そのまま徐々に排出できる仕組みのため、防塵(じん)に対応できた格好だ。また、熱の測定なども実施しており、発熱する部分や放熱素材の選定なども行っている。
「耐久試験ラボ」では、落下や浸水、さらにはスマホへの落下物やお尻のポケットに入れて座った際の圧力に耐えられるかといったテストを行っている。Googleによると、OSアップデートの期間を7年間に伸ばす中、ハードウェアもより長く使えるよう、このテストの重要性が増しているという。
例えば、落下試験は高さや角度の調整に加えて地面の素材を鉄板やコンクリート、木材などに変更できるようになっており、さまざまな観点で強度をテストできるようになっていた。その様子をハイスピードカメラで撮影して、落下時に各部品がどのような影響を受けるかの分析も行っているという。
落下テストは、通常の200回では不十分だとして、より回数を増やしているという。また、耐久性試験ラボにはPixel 10 Pro Foldなどのフォルダブル端末を自動で開閉する機械も設置されており、10年分に相当する20万回のテストをクリアさせている。また、小型のドラム式洗濯機のような装置の中にPixelと鍵やペン、ヘアブラシなどを入れ、傷がどの程度つくかの試験も実施している。
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