「Pixel 10/10 Pro」はスマホの使い方をどう変えるのか “スペックシートに表れない”進化が差別化に(1/3 ページ)

» 2025年08月23日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]

 Googleは、Pixelシリーズの最新モデル「Pixel 10」を発表した。8月28日に販売が始まる。Google直販に加えて、ドコモ、KDDI、ソフトバンクに加え、同モデルからは楽天モバイルからも同時に発売される予定だ。バリエーションは、2024年と同じ。ノーマルモデルのPixel 10に加え、上位モデルの「Pixel 10 Pro」には大画面版の「Pixel 10 Pro XL」も用意される。フォルダブルモデルの「Pixel 10 Pro Fold」も10月に登場する見込みだ。

 Pixelシリーズは、特に日本で人気の高いAndroidスマホ。iPhoneには及ばないものの、Androidの中ではシャープとトップ争いを繰り広げているだけに、Pixel 10への注目度は高い。一方で、Pixel 10シリーズは、外観やスペックなどが前モデルの「Pixel 9」から大きく変わっていないようにも見える。全面に打ち出されているのはAIのGeminiだ。こうした端末のコンセプトから、Googleの戦略や狙いを読み解いていきたい。

Pixel 10 Googleは、21日未明にPixel 10シリーズ4機種を発表した。Pixel 10 Pro Fold以外の3機種が、8月28日に発売される

大きく変わらないハードウェア、刷新されたTensor G5がカギに

 ついに登場したPixel 10シリーズだが、ハードウェアの仕様はどちらかといえばマイナーアップデートに近い。詳細は別記事に譲るが、ノーマルモデルのPixel 10は、サイズがほぼPixel 9と同じ。ディスプレイの解像度やリフレッシュレートも変わっておらず、唯一ピーク輝度のみが、2700ニトから3000ニトへと向上している。また、バッテリー容量が増えた半面、重量や厚さは増してしまった。

Pixel 10 無印のPixel 10は、初めて望遠カメラを搭載する

 Pixel 10は、光学5倍の望遠カメラを備えたため、まだハードウェア的な違いが分かりやすいが、プロモデルであるPixel 10 Pro/10 Pro XLは、さらに差分が少なくなる。光沢感のあるフレームの仕上げも、Pixel 9から受け継いだものだ。シリーズ共通でマグネットで充電位置を合わせられる「Qi2」に対応したことなど、注目したいトピックはあるが、ハードウェアとしての進化は想像以上に少ない。

Pixel 10 磁石でワイヤレスチャージの位置合わせが可能なQi方式の「Pixel Snap」に対応したのも、ハードウェアの進化点だ。写真はケースつきだが、本体側に磁石が内蔵されており、裸でも充電できる

 一方で、大きく刷新された部分もある。それが、スマホの頭脳ともいえるプロセッサだ。Pixel 10はシリーズ共通で独自設計の「Tensor G5」を搭載している。GoogleでPixelプロダクトマネジメント シニアディレクターを務めるピーター・プルナスキー氏は、同チップを指し、「Tensorのデビュー以来、最も重要なアップグレード」だと語る。AIを処理するTPUは最大60%強力になり、CPUやISPも大きく性能が上がっている。

Pixel 10 Pixelを担当するシニアディレクターのプルナスキー氏は、Tensor G5にこれまでで最も重要なアップグレードがあると話す

 通常の操作をするだけだと分かりづらいプロセッサの性能向上だが、その具体的な成果として目に見える形になっているのがAI、特にオンデバイスAIの進化だ。プルナスキーによると、Tensor G5はGoogle DeepMindとの共同設計により、「最新(バージョン)のGemini Nanoモデルを実行する初のプロセッサになっている」という。その結果、Pixel 10シリーズには20以上のオンデバイスAIを機能として実現できたという。

Pixel 10 プロセッサはTensor G5に刷新。TPUの性能が60%と大きく向上している

 いわゆるスペックシートには表しづらい部分だが、プロセッサの処理能力を生かし、AIによってユーザー体験で過去のモデルとも差別化を図っているといえる。Pixel 9aを除くPixel 9シリーズもGemini Nanoを搭載し、オンデバイスAIに対応していたが、その用途はボイスレコーダーの要約やPixelスクリーンショットなどに限定されていた。これに対し、Pixel 10シリーズでは、オンデバイスAIを組み合わせた機能が大きく広がっている。

Pixel 10 最新のGemini Nanoを搭載し、20ものオンデバイスAIを使った新機能に対応した
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月26日 更新
  1. ダイソーで1100円の「USB Type-C to HDMIケーブル」でスマホの画面をテレビに映すとどうなる? 対応機種なら試してみる価値あり (2026年10月24日)
  2. 「Androidのマイナンバーカード」がスタートするもフル機能対応機種が少ない件 ポイントは「StrongBox」という仕組み (2026年10月24日)
  3. 「iPhone Duo」はLINEもポケモンGOも“黒い”余白だらけ? 日本の定番アプリは未対応が多く (2026年10月23日)
  4. 「Galaxy Z Fold8」「iPhone Duo」を“メイン端末”として使う上での課題 縦型コンテンツの最適化をどう進める? (2026年10月26日)
  5. 進化した「Siri AI」で感じた、iPhoneの操作を一変させる実力 「AI出遅れ」の汚名返上なるか (2026年10月24日)
  6. iPhone Duoを使って痛感した「Face ID」のありがたさ 充電スタンドに置いたまま通知が見られない不便さに苦しむ (2026年10月24日)
  7. デジタル庁が「Androidのマイナンバーカード」対応機種を公表 属性証明機能を使える機種は限定的 (2026年10月19日)
  8. KDDI、子会社モビコムのモンゴルでの火災について事実関係を公表 「法令違反行為を行っていない」 (2026年10月24日)
  9. きょう発売の「iPhone Duo」、Apple 表参道でゲットしてきた 早速開封レポート (2026年10月23日)
  10. 【ニトリ】599円の「マルチスタンド」 スマホやタブレットのキッチン利用も便利 (2026年10月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー