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» 2006年06月16日 21時45分 公開

セミナーで強調されたビジネスケータイの“今” W-ZERO3はPDAとは違うのか?: (1/2 ページ)

コンシューマー市場で人気を博した「W-ZERO3」をビジネスシーンに導入しようという動きが起こりつつある。W-ZERO3に対応するビジネスソリューションを紹介するセミナー「Windows Mobileビジネス活用講座」の様子を紹介しよう。

[江戸川,ITmedia]

 6月9日、東京国際フォーラムで「Windows Mobileビジネス活用講座」が開催された。PDAをビジネスに活用しようというテーマは、これまでに何度も語られてきているが、W-ZERO3の登場をきっかけに、モバイルシーンにおけるWindows Mobile製品の優位性を再確認しようという趣旨だ。

海外と日本、モバイル市場の違いは……

photo MapMotion社長のクレイグ・ウィル氏は、かつてPalmのアジア・パシフィック代表を務めていた人物。PDA業界からも日本の携帯電話には注目していたという

 基調講演を行ったのはクレイグ・ウィル氏。携帯電話向けに軽快な動作のレイヤー地図情報を提供する「MapMotion」の代表取締役で、かつてはPalmのアジア・パシフィック代表だった人物だ。「10年近くモバイル分野に関わっている」というウィル氏は、講演の中で国内と国外のモバイル市場の違いを分析してみせた。

 現在、多種多様な夏モデルが登場して話題に事欠かない3G携帯も、そのほとんどはコンシューマー向け製品となっている。販売されている製品をセグメント化すると、そこにはビジネス用の携帯電話が入り込む余地がないほどだ。

 一方、国外の市場に目を向ければ、BlackBerryを頂点として、ビジネス向けのセグメント化ができている。同氏は、日本でも同じ流れが起こりつつあるとし、現時点でBlackBerryの位置にあるのがW-ZERO3だという。「国外ではデータ通信端末と携帯電話の使われ方は大きく異なっている。(通話機能があるとしても)データ通信端末を通話に使うことはあまりなく、また携帯電話はメールと通話に特化している。日本では携帯電話を通話やメール以外の目的に使う利用者も多く、ビジネスユースとしてW-ZERO3のような端末に注目が集まることは当然」と話した。

PHS紛失時に位置情報を利用した情報提供サービスを検討中――ウィルコム

 ウィルコムからは、執行役員の瀧澤隆氏が登壇した。法人営業の責任者である瀧澤氏は、日本アイ・ビー・エム出身ということもあって、同社が販売していたPDA「WorkPad」の裏話を披露した。かつてWorkPadのラインアップには、PHS内蔵モデルがあったのだ(2000年11月21日の記事参照)

 今から5年前には、メールもインターネットも普及し始めていたので、PDAに通信機能が付いたら便利だろうとPHSユニットを開発したが「実はこれがほとんど売れなかった」と当時の苦労を振り返った。何がいけないのかを探るため、部下にメールなどを毎日使わせたところ、1カ月で30万円を超える通信費になったという。いくら便利だとはいっても、これではビジネスに活用するのは難しい。

 そんな苦い経験から5年が経った。通信速度が高速になり、定額の料金制度もできた。当時のように請求書を見て驚くようなことはない(4月21日の記事参照)。「料金は、当時の100分の1になった」というが、5年の歳月が変えたのはそれだけではない。ハードもOSも、アプリケーションも相当に進化しているのだ。「ビジネスでモバイルを活用するための条件がようやく整った」と瀧澤氏は話す。

 また瀧澤氏は、現在提供中の法人向けソリューションをいくつか紹介した後、2つのトピックに触れた。

 1つ目は、位置情報を使った遺失時の情報提供サービスを検討中であること。これはセキュリティ強化の一環として、ユーザーがPHS端末を紛失したとき、端末が今どこにあるかをユーザーに教えてくれるサービスだ。

 もう1つは、高度化PHSと次世代PHSの現状である。「(PHSは)過去10年間、同じ技術を使ってどんどん高速化、高機能化してきた。W-SIMが高速化すれば、W-ZERO3はさらに進化することになる」と瀧澤氏は話す。確かに高度化PHS「W-OAM」に対応したW-SIMを挿せば、より快適な通信環境が手に入るだろう(3月9日の記事参照)。また、W-ZERO3自体に通信機能は搭載されていないから、周波数帯の異なる次世代PHS(1月27日の記事参照)も、W-SIMを挿せば使えるようになるはずだ。進化系PDAとしての面目躍如というところだろうか。

photo 「スーツの内ポケットに入る携帯端末というのは昔からあったが、その頃はオーダーで大きな内ポケットを作っていたこともある」と打ち明けるウィルコム執行役員の瀧澤隆氏。今では左右のポケットに1台ずつ、楽々と入る大きさになった
photo W-ZERO3で利用できるビジネスソリューション各種。開発ツール、データベース連携ツール、シンクライアントツール、Exchange Serverとの連携など、W-ZERO3に対応するソリューションは徐々に増えてきている
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