マルチメディア機能にフォーカスした「Nokia Nseries」(2月27日の記事参照)。Nokia Connection 2006で発表された同社の4つの製品カテゴリの1つ「Explore」を担う同社の戦略的製品の1つでもある(6月20日の記事参照)。各国で販売が好調と伝えられるNseriesの現状と、同社の日本市場への取り組みについて、アジア太平洋地域のマルチメディアコンピュータ部門ディレクターのスティーブ・ルイス氏、同地区マルチメディアセールス&チャンネルマネジメント部門バイスプレジデントのホセ・ルイス・マルチネス氏に聞いた。
ITmedia:Nseriesの現在のラインアップを教えて下さい
ルイス氏:昨年発売された最初のNseriesである「N90」以降、ラインアップを徐々に拡大しています。先月からはクラムシェル型の「N71」、デザインと音楽再生機能にフォーカスした「N72」、小型で無線LAN機能も備えた「N80」の3機種も加わり、発売予定のものも含めるとNseriesだけで9機種を発表しています。
Nseriesは、デジタルビデオ機能にすぐれた「N93」、DVB-H方式のデジタル放送に対応した「N92」(2005年11月2日の記事参照)、カメラ画質にこだわった「N90」や「N93」など(2005年4月28日の記事参照)、マルチメディアコンピュータのコンセプトを実現する高機能端末が揃っています。
ITmedia:Nseriesの販売状況はいかがでしょうか?
マルチネス氏:最初のモデルが発売されて以来、Nseriesは全体で500万台以上を販売しました。特にN70は世界のW-CDMA市場でも端末シェア1位となり、Nseriesでも最も売れ行きの良い端末となっています。またN70は、2006年第1四半期のNokiaの利益率No.1端末となりました。Nseries全体の売上も伸びており、Nokiaの全端末の売上に占める割合はマルチメディア端末部門だけで17%となっています。
販売先では、どの国でもまんべんなく好調な売上を保っています。アジア・パシフィック地域でもシンガポールや香港といった比較的所得の高い国だけではなく、インドネシアやフィリピンといった国でも多くのユーザーがNseriesを選んでいます。これはNseriesの機能やデザイン、そしてマルチメディアコンピューターというコンセプトが、あらゆる国で受け入れられていることを表しているのではないでしょうか。
ITmedia:日本市場への今後の取り組みはいかがでしょうか?
ルイス氏:日本市場は世界でも高度なサービスが提供されており、また市場規模も大きい有望な市場です(2月27日の記事参照)。現在、NTTドコモとボーダフォンに3機種を投入しています。現時点ではまだシェアは少ないものの、短期間のうちに販売する機種の数を増やせたことは成功といって良いのではないでしょうか。今後は引き続き販売機種の拡大に努めたいと考えています。
ITmedia:発売予定の804NK(N71、5月19日の記事参照)について、日本での売れ行きにはどう期待しているでしょう?
マルチネス氏:804NKはNokiaとして日本市場に初めて投入するクラムシェル型の端末です。端末のデザイン嗜好は国により様々ですが、日本では特にこの形状が好まれており、ボーダフォンの顧客ニーズにもマッチした製品であることから販売することになりました。
これまでに日本で販売しているNokia端末はいずれもストレート形状で、ユーザーの中にはその形状だけでNokiaの端末を選ばれなかった方々もいるかと思います。日本人の嗜好に合ったクラムシェル型の端末が日本のユーザーにどう受け入れられるか、我々も非常に興味があります。
ITmedia:804NKの販売で、Nokiaのシェアは拡大されるでしょうか?
ルイス氏:804NKが発売されることで、日本のユーザーにもNokia端末の選択肢が増えます。選択の幅が広がることで、新たにNokiaの端末を選ぶユーザーの数も増えると考えています。また既存のNokia端末ユーザーにも、QVGAの大画面やS60 3rd Editionの先進性など、進化した機能をアピールできるでしょう。以上のことから総合的にNokiaの端末を選ぶユーザーが増え、その結果として、日本でのシェアを少しずつ向上させることができると期待しています。
ITmedia:804NK以降、日本で端末を投入する予定はありますか?
マルチネス氏:Nokiaは機能やデザイン別に様々な端末を世界中で発売しています。いずれの製品も各国で高い評価を受けています。今後投入される新製品も含め、世界中のユーザーにすべてのNokiaの端末を届けたいと考えています。日本市場では通信オペレーターとの協力が必要ですが、日本のユーザーにもなるべく早くNokiaの多くの製品を提供できるよう、努力を続けていくつもりです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング