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» 2006年08月11日 23時24分 公開

ドコモのボディブローは効いてきている――ドコモ東海・榎啓一社長に聞く(後編) Interview(1/4 ページ)

番号ポータビリティをきっかけに、シェア50%越えを目指すドコモ東海。そのために打っている手は何か、また東海エリアのメンタリティをどう分析しているのか……ドコモ東海社長の榎啓一氏に聞いた。

[神尾寿,ITmedia]

 番号ポータビリティ制度(MNP)を千載一遇のチャンスとして、地域シェアで初の「50%越え」を目指すドコモ東海。同社は他キャリアに対して防戦をするのではなく、積極的な攻勢を仕掛けていく。全国のドコモ地域会社の中で、最もハングリーな姿勢であると言えるだろう。

 前編に引き続き、NTTドコモ東海社長の榎啓一氏に(2005年5月12日の記事参照)、東海の市場環境の分析、他キャリアに対する勝算などについて聞いていく。

ドコモ東海社長の榎啓一氏

名古屋は“お値打ち感”が大切。「ドコモは高い」という誤解を解く

 周知のとおり、ドコモは北はドコモ北海道から南はドコモ九州まで、全国9社の地域会社制を取っている。各地域会社はそれぞれ事業エリアを担当し、マーケティングやインフラ整備を行う。この中で、研究開発や端末・サービスの企画開発、海外投資などを担当するのが、関東・甲信越を管轄とするNTTドコモであり、ここが本社機能を持つ。それ以外の地域会社は、中央で作られた端末やサービスをいかに地域市場に訴求するかが重要なミッションになる。

 「ドコモのサービスや端末の訴求といっても、当然ながら地域ごとの違いがあります。名古屋でいうと“お値打ち感”が大切です。1年前にドコモ東海に着任してから、東海エリアの地域性をいろいろと調べたのですけれど、名古屋の人はコモディティ(日用品)商品はなるべく安くすませようという傾向がある。一方で、結婚式など生涯のイベントや家、クルマ、ブランド品などに対しては全国平均よりも多くのお金を使うのです。(消費に対して)メリハリがあるのですね。その中で携帯電話はどうかというと、残念ながらコモディティと受け取られている。ですから(料金での)お値打ち感の訴求が大切だと考えています」(榎氏)

 具体的にはドコモと他キャリアとの料金比較広告を出すなど、ドコモの料金プランに対する認知度・理解を深めてもらう施策を地道に行っているという。ドコモの料金は高い、と誤解されがちとは、筆者もよく感じていることだ。ドコモの料金プランは、何度かの値下げや改訂を繰り返し、他社に比べて必ずしも高いということはなくなっている。特にFOMAは各料金プランの価格競争力が高く、2カ月くりこし&家族間割引の使い勝手もいいのだが(2004年1月22日の記事参照)、「ドコモは料金が高い」=「ドコモ以外は安い」という古いイメージがつきまとっている。

 「ある視点ではドコモが安い、ある視点ではauが安いというように、料金的な競争力に圧倒的な差はないんですね。それなのにお客様は“ドコモは高い”と思っている。でも実際は全然高くないんですよ。このままドコモが高いと思われていると、MNPでダメージを受ける可能性があるので、料金の訴求は一年前から徹底的に行っています。最終的にお客様から見て“ドコモもボーダフォンもauも、料金的にはそれほど変わらない”と知っていただければ我々のメリットになります」(榎氏)

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