KDDIは9月20日、社長会見を行った。テーマは「KDDIの法人市場への取り組み」。小野寺正社長は同日発表になったビジネスケータイ「E03CA」(9月20日の記事参照)を紹介しながら、携帯電話の法人市場への期待と取り組みについて話した。
携帯電話の法人契約については現在数字が明らかになっていないが、KDDIでは携帯電話全体の市場9350万台のうちの約10%、つまり900万台超を法人契約分と見ているという。
仕事に携帯を使う場合、かつては通話端末としてしか利用されなかったが、最近はデータ端末へと、その性格が変わりつつある。また、セキュリティ意識の高まりもあり、業務に使っている携帯は、個人契約から法人契約へとシフトしつつある、と説明した。
「MNPが導入されることは、法人市場においては大きなチャンスになるだろう」と、小野寺氏は期待を寄せる。根拠としているのは、「法人企業にとってのキャリア移行障壁は何か?」という調査だ。調査結果によれば、「電話番号が変わること」が80%と最も多く、以下「メールアドレスが変わること」が40%、「端末内の登録情報を移行するのが面倒」が30%、「継続割引サービスの割引率が悪くなる」が30%と続く。
もう1つの根拠が、「63%の企業が、複数のキャリアの携帯電話を導入している」「30%の企業がMNPの利用意向があり、複数キャリアと契約している企業では、MNPの利用意向は40%」という調査結果だ。MNPの導入により、市場の流動化が進むだろうとした。
KDDIの調査によれば、法人ユーザーが携帯電話を選ぶときに重視する機能・性能の上位3つが、「連続通話時間/待受時間の長さ」「セキュリティ機能」「ボディの頑丈さ」だという。この3つを満たす端末として発表したのがビジネスケータイ「E03CA」(9月20日の記事参照)だ。
E03CAは個人向けau端末として販売している「G'zOne W42CA」(機種別記事一覧参照)と同時期に開発した機種で、W42CAと同様にボディの頑丈さ、耐水性能などを特徴としている。また「通常のWIN端末の1.5倍、バッテリーがもつ」(小野寺氏)。セキュリティ機能としては、企業の管理者が複数の端末に対してアプリをネットワークから配信できる「ビジネスアプリ管理サービス」、携帯のユーザーとは異なるパスワードを管理者が設定し、ユーザーが利用できる機能を制限できる「利用者制限」、リモートで端末をロック/解除できる「遠隔ロック」などの機能を備えている。
また、法人用端末向けサービスとして、au版のプッシュ・トゥ・トークである「Business Messenger」も開始する(9月20日の記事参照)。
これはパケット通信網を利用して、半二重で音声通信を行うもの。登録したグループごとに1人対n人で会話ができ、最大20人と同時に話せるサービスだ。発話ボタンを押さなくても自動で着信するように設定できたり、端末を閉じたままで、シャッター/マナーボタンを押しながら会話できるなど、トランシーバー的な使い勝手を持つ。Business Messengerは2007年1月から6月まで無料で試験提供される予定だが、当面E03CAでのみ利用できるサービスとなる。
なおKDDIはE03CAについて、ヤマト運輸で導入が決定していることを明らかにした。
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