ライフキットの中心となっているのはおサイフケータイ機能の強化だ。903iシリーズでは、搭載されているFeliCaチップが新バージョンになるのに伴い、メモリ容量が従来の3倍に増えているほか、FeliCaチップ同士で赤外線のようにデータを送受信する機能などが追加されている。また、おサイフケータイ(903iシリーズ以降)同士の機種変更時には、FeliCaチップ内のデータも一括で移せる「iCお引っ越しサービス」も始まる。
なお、従来ドコモのおサイフケータイには必ず、電子マネーの「Edy」がプリインストールされていたが、903iシリーズではEdyはプリインストールされず、「DCMX」だけがプリインストールされることになっている。その理由について夏野氏は「確かにEdyは外れた。しかしそれは会社と会社の交渉によって決まること。条件が合わなかった」と述べるにとどめた(9月4日の記事参照)。
また、903iシリーズ6機種はすべてGPS機能を搭載しており、ナビタイムまたはゼンリンデータコムのナビゲーション用iアプリをプリインストールしている。また、iモードサイトやトルカなどで住所が書かれている場合、そのデータが住所だと認識して、クリックするとその場所を地図で表示する、といった機能を盛り込んだ。
3本目の柱、コミュニケーション関連機能としては、デコメ強化、メールの添付ファイル容量アップを挙げた。以下は903i/903iX/903iTVの計11機種に共通する機能だ。
ドコモ端末のメール作成画面では、絵文字1→絵文字2と切り替えて絵文字を選択・入力できるようになっているが、903i/903iX/903iTVではその続きとして「デコメ絵文字」の一覧を表示できるようになった。絵文字を入力するように、文中にデコメ絵文字を簡単に挿入できる。
また、これまでメールの添付容量は最大500Kバイトだったが、903i/903iX/903iTVでは最大10個の添付ファイル、合計2Mバイトまで拡大される。PDFや、Word/Excelなどのオフィス文書も添付できるようになった。
夏野氏は「携帯にカメラ機能が付いたのは、おそらく最大のヒット。しかし、なんとかメールとかなんとかショットとか、他社の写真を送れるサービスはそこまで流行らなかった。それは、メガピクセルのカメラで撮っても、メガピクセルのままで送れなかったから」と話し、大容量添付メールのメリットをアピールした。
今回発表された14機種のうち、903iシリーズは10月後半から順次、903iX HIGH-SPEED/903iTVとN902iLは2007年が明けから順次、SINPUREは2006年内に発売されるという。
今回の秋冬モデルの発表は、au、ソフトバンクに続きドコモが最後だったこともあり、プレゼンの随所に他キャリアを意識した発言がちりばめられていた(10月12日の記事参照)。
ソフトバンク孫正義社長の「電話する時は音楽を聴かないし、音楽を聴くときは電話をしない。両方を搭載し、わざわざ分厚くするのは意味がないのでは」というコメントを引いて(9月28日の記事参照)、音楽携帯に対するスタンスを尋ねられた夏野氏は「音楽ケータイを持っている人みんなが携帯で音楽を聴くわけではない、というのは事実。しかし、だからこそ今回は“こうすれば(携帯で音楽を)聴くだろう”という仕掛けを用意した」と答え、ナップスター対応をアピールした。
またMNPを控え、ドコモユーザーに対するメッセージとしては「一番買って後悔しないのがうちの携帯。903iではベース機能としてほとんど盛り込んでしまったので、まず後悔することはないはず」と話した。
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