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» 2006年11月20日 11時49分 公開

KDDI、慶大、FM東京、デジタル放送上にIPネットワークを構築する「IP over デジタル放送」を開発(1/2 ページ)

慶應義塾大学、KDDI、エフエム東京の3者が、デジタル放送上にIPネットワークを構築する「IP over デジタル放送」技術を開発した。11月22日と23日に「SFC OPEN RESEARCH FORUM 2006」で一般公開する。

[ITmedia]
photo 左から、KDDI 執行役員 技術統括本部長 安田豊氏、慶應義塾大学 常任理事・環境情報学部教授 村井純氏、エフエム東京執行役員 仁平成彦氏

 慶應義塾大学、KDDI、エフエム東京は11月20日、デジタル放送の放送波を利用してIPネットワーク環境を構築する「IP over デジタル放送」の技術を開発したと発表した。3者はこの技術を利用した放送サービス実現の可能性について共同で検討していく。

 IP over デジタル放送は、デジタル放送の放送波にIPデータを載せて配信する技術で、インターネット上のコンテンツを放送と同じ方法で配信できる。携帯電話などの通信回線と組み合わせると、デジタル放送の即時同報性とインターネットの双方向性を組み合わせた新しいサービスも提供可能になるという。

photo 右側の機材が放送局に設置するIP over デジタル放送の基幹機器。右から放送用マルチプレクサ、右から2番目がOFDM変調を行うデジタルラジオ電波送信機。左側2台のPCは、ユーザー端末としてデジタルラジオ受信対応機と想定
photophoto IPデジタル放送の仕組みと構成システム図
1.IPネットワークのパケットをMPEG2-TSパケットのペイロードとしてカプセル化し、デジタル放送波で配信。放送と同時にそのデータも配信できる
2.受信装置は受信したMPEG2-TSパケットからIPデータを抽出。通信部に実装したUDLR(UniDirectional LinkRouting)により放送のような片方向のリンクでもIPによる双方向の通信を仮想的に実現する
3.通信プロトコルはIPv4/IPv6双方に対応。IPv6により、屋内から車内など、移動先のネットワークに接続したさまざまな機器でコンテンツが視聴できる

 IP over デジタル放送の基礎技術の研究や、開発段階で生じる技術的な問題への対処方法は慶応義塾大学が検討し、開発された技術の標準化を進める。実際のサービス提供を想定したシステムのアーキテクチャやサービスモデルなどのコンセプトの提案も行う。

 一方KDDIは、IP over デジタル放送を実現するための技術開発を継続する。この技術を利用したサービスやコンテンツの開発、オールIP化する予定のバックボーンネットワークとの接続や統合についても検討する。エフエム東京は、サービス実現のために必要な実験などに協力するほか、IP技術やインターネットコンテンツを利用した新しい番組の制作を行うことで、新しい放送サービスの可能性を検討する。

 KDDIは先日16日、デジタルラジオ受信に対応する端末「W44S」を発表。デジタルラジオチューナーとその視聴機能だけでなく、楽曲データ(着うたフル)を放送波経由でダウンロードし、認証・決済は追って端末からインターネット経由で行う仕組みを取り入れた。ただし、あくまでこの例は着うたフルなどの楽曲データのみであり、IP over デジタル放送とは異なる。

 IP over デジタル放送は多地点からのデータ送信やマルチキャストによるグループごとのコンテンツ配信、受信端末につながるさまざまなネットワーク機器やアプリケーションと連動したリッチメディアの提供など、インターネットで利用できるサービスすべてを対象にした概念となる。

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