携帯向けOSを開発するシンビアンが、記者懇親会の席で第3四半期の業績と事業の概況を説明した。売上は前年同期比で44%増となる4030万ポンド(約89.9億円)を達成。シンビアンの久晴彦社長は、世界のスマートフォン市場について「欧州がやっと動き始めたが、米国はまだ伸びていないなど、これから伸びる余地がある。日本ではSymbian OS搭載機の出荷の伸び率が前年比185%と好調で、これからどうやってさらに伸ばせるかが課題」とした。
Symbian OSは、世界で最も高いシェアを持つ携帯電話向けOSで、第3四半期の世界シェアは72.8%。日本では三菱電機、富士通、シャープ、ソニー・エリクソン・モバイルがドコモ向けにSymbian OS搭載端末を市場に投入しており、第3四半期の日本国内のシェアは6割に迫る勢いだ(日本のスマートフォン市場におけるシェア。Canalys調べ)。日本でこれまでに発売されたSymbian OS搭載端末は、11月22日時点で6メーカーの42機種を数える。
同社のOSを搭載した端末は、第3四半期に10のライセンシーが106の端末をリリースし、8ライセンシーの49端末が開発中であるなど、好調に推移。2006年第3四半期末までの累計出荷台数は9580万台に達し、11月には1億の大台を突破している(11月17日の記事参照)。
久社長は、1億台という数について「脳の神経細胞は1億あるといわれ、プレイステーション2の販売台数や(海外で定番のボードゲーム)スクラブルの販売数も1億。世界中のWebサイトの数も1億」と、リアル世界で実感しやすいものの数になぞらえて説明し、いかに多くのSymbian OS搭載機がリリースされたかをアピールした。
なおシンビアンは12月11日に、Symbian OS開発者向けのトレーニングセミナー「Symbian Cooking School 2006」を開催する(11月9日の記事参照)予定。シンビアンのマーケティングマネージャーを務める依田多加志氏は、「(Symbian OS向けアプリ開発で実績のある)NTTドコモや富士通の担当者による講演もある開発者向けのイベント。有料ですが、興味のある方はご検討を」と呼びかけた。
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