ジャパンパビリオンは、ITU TELECOM WORLDメイン会場のほぼ中央に設営され、NTTグループをはじめとする多数の日本企業が出展していた。また隣接してNECや東芝が自社の大型ブースを設営しており、辺りはさながら日本の展示会場の様相を示していた。各社とも日本の最新サービスや製品、技術を中心に展示を行っており、終日来訪者で賑わっていた。
NTTグループのブースでは、NTTドコモが海外におけるiモードの展開状況や、豊富なiモードコンテンツを紹介するとともに、2007年上半期にHutchison Telecomが香港でiモードサービスを開始することをアナウンスしていた。これにより海外iモードの採用は15カ国目となる。香港のiモードは3G及び2.5G回線を利用し、端末は他国同様にiモード専用端末を利用する。
なおNECブースには対応端末と予想されるGSM対応のiモード機「N355i」が展示されていた。109×47×12ミリとスリムなストレート端末で、ディスプレイの解像度は128×160ピクセル、背面に30万画素カメラを搭載したエントリーレベルの端末である。
NECはコンセプトモデル「P-ISM」と「LATTICEKEY INTERFACE」の展示を行っていた。
P-ISMは5種類のペン型の機器が1つのパッケージとなったコンセプトモデル。各ユニットはそれぞれが「ペンサイズCPU」「手書き対応携帯電話」「投影式のバーチャルキーボード」「小型プロジェクター」「個人認証対応カメラスキャナー」の機能を搭載しており、ユニット同士は近距離無線技術で接続される。各ユニットが独立・分離しペン型という人間の手に持ちやすいサイズになっていることから、どこにでも持ち出して利用できる、近未来のモバイルコンピューティング端末像の1つを実現したモデルと言えそうだ。
またLATTICEKEY INTERFACEは21個の格子状に並んだキーを利用した新しい入力インタフェース。キーを押して入力できる他、キー全体をタッチパッドのようにして指先でなぞることにより、文字入力やメニュー操作が行なえる。例えば電話帳の検索なら、指先で頭文字を手書きの要領でなぞれば目的の名前を呼び出せるほか、音楽再生の音量調整や曲の選択なども上下左右に指でなぞることでスムーズに操作ができる。ショートカットキーのように、機能と指先でなぞる操作をカスタマイズすることもできるという。ペンが不要で片手でも操作できることから、年配者や子供などでも容易に操作ができるだろう。
東芝は、無線LANを利用したIPテレビ電話や、ネットワークディスプレイのテスト端末を展示していた。
IPテレビ電話機は無線LANを搭載した携帯電話型の端末。音声通話だけでなく、QCIFサイズのMPEG4形式の動画再生が可能で、内蔵のカメラを利用したテレビ電話や、ストリーミングビデオの再生にも対応する。展示されていた試作品は無線LANのみを内蔵したものだったが、今後は無線LANとHSDPAやCDMA2000 1x EV-DOのネットワークが利用できるハイブリッド端末化も予定されており、将来のIMSやFMCを見据えた次世代携帯端末を目指したものと言えるだろう。
一方、液晶ディスプレイに無線LANを組み込んだネットワークディスプレイ「VerScreen」は、パソコンやDVDプレーヤーなどの出力部分を切り離したデバイスだ。同社がすでに2006年1月のCESで出展したディスプレイ分離式PCを、家電などホームデバイスでも利用できるように進化させたもの。パソコンとの接続のほか、DLNAクライアントを内蔵しており、対応家電製品との接続も可能だ。
ディスプレイ面は電磁誘導方式のタッチパネルになっている。タブレットPCのように専用のペンを必要とするが、家庭内での利用には誤操作防止に有効とのこと。手書きでの文字入力に対応し、接続デバイスの切り替えなどのメニュー操作も画面をタッチすることで行える。試作機のためカメラは本体に内蔵されていなかったものの、SIPを利用したテレビ電話機能も備えている。試作機はA4サイズのノートをイメージしたモデル、より小型のハンディーサイズのモデル、そしてHD映像再生に対応した高解像度モデルの3タイプが展示されていた。
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