auの2007年春モデルが発表される1週間前、子ども向けの1X端末「ジュニアケータイ A5525SA」(以下ジュニアケータイ)とローティーンの女の子向け端末「Sweets cute」が発表された。いずれも従来モデルから“安心”機能をさらに強化したのが特徴だ。
それぞれのユーザー層に合わせ、ジュニアケータイは明快な色で北欧の玩具をイメージさせるポップなデザインを、Sweets cuteは小学生高学年から中学生の女の子の好みを反映した色やデザインを採用した。
子どもが被害者となる凄惨な事件が後を絶たない昨今、ケータイで何ができるのか──こうした思いを元に作りこまれた防犯機能や、ユーザー層に合わせてキャラクターを分けたコンセプトについて、鳥取三洋電機 マルチメディアビジネスユニット モバイル通信技術部 モバイル通信企画課の大下雅史氏に話を聞いた。
春モデルとして登場したジュニアケータイとSweets cuteは、兄弟機という位置付けだ。ソフトウェアやハードウェアの機能はほぼ共通で、異なるのは防犯ブザーのスイッチ機構を含めた外観デザインとユーザーインタフェースデザインの世界観、そして生活防水機能の有無(ジュニアケータイのみIPX4相当に対応)となっている。強化された緊急通知機能は両者に共通の仕様だ。
この2モデルはほとんど同じ“中身”ながら、パッと見の印象は大きく異なる。その理由は、ジュニアケータイが小学校の男女を対象としたデザインであるのに対し、Sweets cuteは小学校高学年から中学生の女の子をターゲットにデザインされたからだ。
「女の子は小学校の高学年くらいになると、おしゃれや流行に敏感になりはじめ、自分なりの好みやこだわりを持つようになります。そんな年齢層にはジュニアケータイではちょっと幼すぎて、普通のケータイはちょっとデザインが好みに合わない。こうした年頃の女の子をターゲットにしたのがSweets cuteです」(大下氏)
女の子向け携帯の前モデルにあたるSweets pureのユーザーアンケートでは、購入者層の年齢が9歳から13歳に集中し、その一方で25歳から40代の母親層にもう1つのピークがあったという。娘に買い与えるのと同時に母親自身も色違いを買ったというケースも結構多く、デザインを気に入って買ったという独身女性もいたと大下氏は話す。
「ジュニアケータイは安心機能を前面に押し出した“お子さま向けの安心なケータイ”というコンセプトです。一方Sweets cuteはジュニアケータイと同様の機能を持っていますが、小学校高学年から中学生の女の子が、かわいくてファッショナブルと感じられることを商品のコアコンセプトにしました。緊急通知機能などその多くが共通ですが、狙うターゲットが違うため、それに合わせてテイストを変えています」(大下氏)
ジュニアケータイとSweets cuteのデザインははいずれも、Sweetsシリーズのデザインを手がけたことで知られる、プロダクトデザイナーの柴田文江氏によるもの。ジュニアケータイはポップで明るい色の北欧のおもちゃをイメージし、より実物に近い形で再現することを心がけた。柴田文江氏の監修は、ユーザーインタフェースの世界観や、Sweets cuteに付属のオリジナルシールにまで及ぶ。
「カラーリングには特にこだわった結果、かなりイメージに近い艶感などが再現できたと思います。一方、このカラーを実現するのは難しくて苦労したのも事実です。本体には端子のカバーやキーなど、素材が異なるパーツが組み合わさっていて、そのすべてに同じ艶の塗装をするのにはとても苦労しました。デザイナーの色に対する要望が強く、また、確固たるイメージがありましたから、それを再現するというのはとても難しかったのです。でもその苦労のかいあって、いい感じに色が出ていると思います」(大下氏)
デザインへのこだわりは個装箱やキャリーバッグにも現れている。au端末の個装箱は、通常はauのシンボルカラーであるオレンジと白を用いたシンプルなデザインだが、ジュニアケータイ、Sweets cuteはそれぞれの本体色と同じ色の箱を用意。さらにジュニアケータイ用にはブルブルーを、Sweets cute用にはストロベリーシフォンをモチーフにしたキャリーバッグもデザインしている。
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