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» 2007年03月12日 14時29分 公開

神尾寿の時事日想:“決済以外”に見どころが多かったIC CARD WORLD 2007

「おサイフケータイ」という愛称のせいもあって、電子マネーやクレジット決済が注目されがちなFeliCaサービス。しかし今年のIC CARD WORLDでの注目は決済以外、特に電子クーポン関連のサービスだった。

[神尾寿,ITmedia]

 3月9日、IC CARD WORLD 2007が閉幕した(3月7日の記事参照)。すでに多くの記事が掲載されているが、今年のIC CARD WORLD 2007は「FeliCa World」といっていいほどFeliCa関連の展示・セミナーが満載で、世間の注目の高まりもあってか大いに賑わった。最終的な来場者は併設されたRETAILTECH JAPAN 2007との合計で約15万7千人に及んだという。

 筆者はIC CARD WORLD 2007初日のFeliCaワークショップに司会として参加したほか、取材で2日間会場に足を運んだが、そこで強く感じたのは「FeliCa決済以外」に見どころが多かったことだ。

 むろん、展示スペースの多さ・広さで見れば、FeliCa決済関連の出展が中心的だった。iD、QUICPay、VISA TOUCHが競うように様々な導入事例や決済端末を出展し、EdyやSuica、nanacoの対応機器も多くのブースで見られた。共用型をはじめとする最新型の各種リーダー/ライター、タクシーや自販機、券売機、コインロッカーなど組み込み機器の展示も多かった。まさにFeliCa決済が「普及期に入った」ことを実感させられる光景だった。

 しかしその一方で、目新しさや今後の発展性を感じたのは「決済以外」の分野だった。ここではフェリカネットワークスが電子チケットや金融ソリューション向けATMなどを展示していたほか(3月9日の記事参照)、ソニーをはじめ多くのブースでトルカを使った電子クーポンが紹介され、学生証や電子錠のソリューションも多く見受けられた。ドコモ、auが大容量・多機能化した第2世代モバイルFeliCa搭載機を大量投入したことも追い風になり、決済以外でのおサイフケータイ活用の機運が高まってきた印象だ。

電子クーポンは「共通化」を急ぐべき

 特に今年の注目をひとつ挙げるとすれば、やはり「電子クーポン」の分野だろう。特にドコモの「トルカ」は関連する展示が多く、さらにIC CARD WORLD 2007開催直前に、マクドナルドとドコモの「iD+トルカ」採用の共同会見があったことからも注目を集めていた(2月6日の記事参照)

 しかしその一方で、今後の電子クーポン普及の課題になりそうなのが、全キャリアのおサイフケータイで仕様の共通化ができるか、だ。例えば第2世代モバイルFeliCa向けのトルカは、クーポンの利用回数・利用期間が設定できるなど大きな可能性を持つが、利用できるのはあくまでドコモのおサイフケータイユーザーだけだ。実際にトルカ関連のブースでは、「auやソフトバンクで使えないのか」と尋ねる来場者をちらほら見かけた。

 電子クーポンはFeliCa決済よりも利用開始のハードルが低く、うまく広がればおサイフケータイの利用促進にも効果がある。しかし、そのためには各キャリアのおサイフケータイで、同じようにFeliCa電子クーポンが使える環境作りが必要だ。この分野では、ドコモのトルカが機能的に進んでいるが、ドコモは自らが主導・先導するだけでなく、auやソフトバンクモバイルと仕様の共通化ができるよう柔軟な姿勢で「共通化」に臨んでほしいと思う。

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