タッチパスの機能は、ドコモのケータイ払いサービスで購入できるディズニー・アート展の電子チケットを筆頭に、オンラインで配信されてディズニー・アート展の展示会場で利用できる電子クーポン、さらにディズニー・アート展来場者だけに発行される電子クーポン、デジタルコンテンツを使ったスタンプラリー機能など多岐にわたる。これらの利用率、導入効果はどうだったのだろうか。
「ディズニー・アート展の会期中は会場にサポートスタッフを常駐させたのですが、対面で電子チケットの割引サービスやクーポンの説明をすると、多くのお客様にご利用いただけました。また会場で、おサイフケータイに対する質問も予想以上に多かったですね。」(鳥海氏)
タッチパスやおサイフケータイへの関心は予想以上に高かったが、実際に利用してもらう際には、対面サポートが重要な役割を果たした。その結果、タッチパスを導入したユーザーの78.1%が、初めておサイフケータイを使う人たちだったという。
「今後、おサイフケータイ向けのサービスを本格導入した時に、(店舗やパークなど)現場でどのような対応が求められるか。ディズニーアート展での実証実験は、我々のノウハウになりました」(鳥海氏)。
さらにタッチパスのアプリを通じて行った電子クーポンの取り組みでも、予想以上の効果が現れた。タッチパスをダウンロードすると手に入るディズニーストアのクーポン利用率は20.2%、電子チケット購入者全員が利用できるディズニー・アート展内でのクーポン使用率は31.1%に上った。さらにディズニー・アート展来場者だけがもらえるディズニーストア向け優待クーポンの利用率も19.9%に及んだという。
ここで注目なのは、最後の「ディズニー・アート展 来場者限定クーポン」の効果である。このクーポンはディズニー・アート展の来場者だけに配信され、利用できるのは都内各所や舞浜にあるショップ(ディズニーストア)。つまりクーポンを使った人は、東京都現代美術館でディズニー・アート展を見たあと、電車やバス、クルマでディズニー・ストアに移動してクーポンを使ったということになる。
「まず、電子チケットやクーポンの利用率は我々の想定していた以上でした。さらに電子クーポンの送客効果ですが、東京都現代美術館は(都内としては)それほど交通の便がいいとはいえないんですね。それにも関わらず、(ディズニーストア向け)クーポン利用者の37%が当日に使用しているんですね。1週間以内で見れば約70%の使用率でした。つまり、木場でディズニー・アート展をご覧いただいたお客様が、その日の内に錦糸町や舞浜、お台場などにあるディズニーストアまで足を運んでくれている。
このクーポンの効果については我々(ディズニーモバイル)としても予想以上で、ディズニーストア側も驚いていました。最初、店舗側には(タッチパス対応の)負担感もあったようですが、実証実験が終わる頃には継続を求める声が上がりましたね」(鳥海氏)
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