5分で分かる、今週のモバイル事情:1月29日〜2月4日:
ドコモはFOMA 700iシリーズを発表、ボーダフォンもPDCの新製品を2機種発表した。DDIポケットはWILLCOMに社名変更し、総務省の周波数会合はいよいよ最終回を迎えた。
FOMA 700iシリーズ登場
2月2日、NTTドコモは「FOMA 700i」シリーズを発表した(2月2日の記事参照)。この日の模様は、投資家向けにライブ配信され、インターネットやテレビ電話で視聴できるようになっていた。
700iは普及版FOMAと位置付けられるモデルで、着せ替えられる「N700i」、FOMA最軽量の「P700i」、動画にフォーカスした「SH700i」、AAC再生機能、80デシベルのアラーム機能を備える「F700i」の4機種が用意される。F700iのみ2月10日発売で、残りの3機種は3〜4月商戦に向けて順次発売される予定。都内量販店の新規価格で2万円弱の店頭価格となると予想される。
これまで発売されてきた900i/901iシリーズには、高機能な分だけ「コストが高くなる」「サイズが大きくなる」という弱点があった。そこで700iでは、901iのプラットフォームをそのまま使い、90xシリーズに搭載されている機能を削ることによって、コスト削減に努めた。上記の2万円弱という価格は、90xシリーズよりもほぼ1万円安の価格に当たる。機能的に見ると、カメラ機能は100万画素レベル、iアプリはアプリ30Kバイト・スクラッチパッド200Kバイトで90x用の数々のゲームはプレイできないなど、506iレベル。3Dサウンド機能やFeliCa機能も搭載していない(2月2日の記事参照)。
ボーダフォンの2Gハイエンド、V603SH&V603T
ボーダフォンが2月1日に発表した「V603SH」(1月31日の記事参照1/2)、「V603T」(1月31日の記事参照)は、共に意欲的なハイエンドモデル。地上アナログチューナーを内蔵し、テレビ・FMラジオの視聴ができる。
特にシャープ製のV603SHは、傾きを感知する「モーションコントロールセンサー」を搭載。ボーダフォンと愛知製鋼が共同開発したセンサーだ。本体を上下左右に傾けてメニュー操作を行うほか、端末を傾けたり回したりしながら銃口を動かして遊ぶガンシューティングゲーム、本物のゴルフクラブのようにスイングしてボールを打つゴルフゲームも楽しめる。
難しいのは、これらの端末がボーダフォンの推進する3G端末ではなく、通信方式としては2GのPDC端末であることだ(2月1日の記事参照)。従来、シャープ製端末「902SH」(9月22日の記事参照)がボーダフォンのハイエンドモデルだったはずなのに、機能面ではV603SHのほうが上回ってしまった。この点についてボーダフォンは「(V603SHとV603Tは)90xシリーズと双璧となる、ハイエンドライン」と答えた。
DDIポケット、WILLCOMへ社名変更
2月2日より、旧DDIポケットは、WILLCOMに社名を変更。サービス名やブランドロゴなども一新した。Webページも一新され、URLはhttp://www.willcom-inc.com/に変更となった。(2月2日の記事参照)
機種ラインナップも整理・変更した。2月18日よりサービスを開始する8xパケット方式に対応したAIR-EDGE [PRO]端末、NEC製データ通信カード「AX510N」が登場。予約が始まった(2月2日の記事参照)。
また、AIR-EDGE PHONEのラインアップは京セラ製端末「AH-K3001V」と、日本無線製端末「AH-J3003S」の2機種のみになった。どちらもボディにWILLCOMロゴが付き、AH-K3001Vは新色のシルキーレッドが登場(1月18日の記事参照)。AH-J3003Sは新しく、32kbpsを4つ束ねた4xパケット通信に対応した。WILLCOMロゴが付く前のAH-J3003Sも対応を予定しており、2月中旬から128kbpsパケット通信対応のドライバをダウンロードできるようにするという(WILLCOM広報部)。
総務省の周波数会合は、結論が出ないままの最終回
2月3日、総務省は「携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会」の第8回会合を開催した。今回が最終回で、これまでに出された意見の要旨がまとめられた。これを元に総務省が最終的な結論を下すことになる(2月3日の記事参照)。
新規参入組のソフトバンクに800MHz帯を割り当てるかどうかに注目が集まった。しかし検討会で配布された「意見の要旨(案)」は、“(両論)併記”。各項目に沿って出された意見が一通り羅列されているだけで、検討会としてどう考えるかという明確な結論を一切打ち出していないものになった。
さて、来週は?
2月9日にはソフトバンクの決算説明会があるほか、10日にはイー・アクセスが周波数会合の終了をふまえ、同社の現在の検討状況を報告する説明会を行う予定だ。新規参入組2社の見解に注目が集まる。
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