リビング+:特集 2003/12/26 23:59:00 更新

テストを終えて
機能のまとめと買い方のポイント

今回、「PSX」を除く主要なハイブリッドレコーダーを試用してみたが、その中で感じられたのは、各社製品の驚くほどの違いである。“HDDとDVDドライブを搭載し、テレビ放送などの映像を記録する装置”というくくりで捉えれば、どの製品も同じカテゴリーに属するものだが、各ベンダーが想定しているユーゼージモデルにはベンダー間での大きな差を感じる。

 今回、「PSX」を除く主要なハイブリッドレコーダーを試用してみたが、その中で感じられたのは、各社製品の驚くほどの違いである。“HDDとDVDドライブを搭載し、テレビ放送などの映像を記録する装置”というくくりで捉えれば、どの製品も同じカテゴリーに属するものだが、各ベンダーが想定しているユーゼージモデルにはベンダー間での大きな差を感じる。

 まずひとつ目は、DVDレコーダーを基本にしつつ、HDDで拡張することで、より手軽に、便利に使えることを目指した製品。パイオニア「DVR-710H-S」、日本ビクター「DR-MH5」が、このカテゴリに分類されるのではないだろうか。

 もうひとつは、より完成度の高いDVDを作るため、HDDに録画した映像を自由に編集し、望み通りのDVDを作成することを目指した製品。東芝の「RD-X4」や「RD-XS41」などが、このカテゴリに該当する。松下電器「DMR-E200H」などは、前記のコンセプトとRD-X4との中間に位置する万能型といえるかもしれない。

 ソニーの製品は、これらとはテイストが多少異なり、HDDレコーダーの特性を活かした便利さを、DVDに関する知識なく簡単に提供した製品といえるかもしれない。この点は、「PSX」も同様だろう。ソニーはPSXのインタビューで、PSXよりも自由度の高い高機能製品としての「スゴ録」という説明をしていたが、そのスゴ録も他社製品と比較すればDVD編集の自由度はそれほど高いわけではない。概念として難しい部分は、バッサリとシンプルに仕上げている。

 上記3つのタイプは、ちょっと見にはほとんど同じように見えるかもしれないが、番外レビューとして紹介したNECの「AX-300」は、製品としての基礎をHDDレコーダーに置いており、テレビの視聴スタイルを変えることに重きを置いているという点で、これまた全く異なるコンセプトの製品だ。ただしPCを用いることで、高度なDVDオーサリングを行えるという点を考えると、もっとも万能性の高いレコーダーといえる。

 いくら良くできた製品でも、ユーゼージモデルが合わなければ、良い買い物をしたとは思わないだろう。たとえば、自由にオーサリングしてDVDを作りたいと思っているユーザーがスゴ録を購入しても、後悔するはずだ。逆にテレビ番組をいちいちチェックするのが面倒で、DVDも頻繁に制作するわけではない人がRDシリーズを購入しても、機能の多さを持てあますのではないだろうか。

 ハイブリッドレコーダーはAV機器だけに、画質や音質(もちろんこれらも大切)の比較に注目が集まることもあるが、まずは自分の利用スタイルによって製品を振り分ける方が、後悔しない買い物をできると思う。

好きな番組のDVD作成にこだわりたいなら

 ハイブリッドレコーダーを、単なるレコーダーではなく、徹底して好みのDVDを作るための道具として捉えるならば、東芝の「RD-X4」、もしくはその下位機種の「RD-XS41」が適している。このサイトを見ている読者の多くが、自分でPCを所有しているだろうことを考えれば、機能的には他の選択肢はないと思う。

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東芝「RD-X4」の編集ナビ。非常に細かい設定まで行える

 PCを所有していない、あるいはレコーダーから遠い場所にあるデスクトップPCしかない、といった場合は、ジョグ&シャトル装備のリモコンを駆使して快適な編集が行える松下電機産業の「DMR-E200H」も選択候補に挙がるだろう。

 しかし、プレイリストにおけるシーン入れ替えなどの自由度はRDシリーズの方が高い。またDVDメニューの自由度も、やはりRDシリーズの方が上だ。チャプター分割後、各チャプタータイトルの編集が「ネットdeナビ」で軽快に行える点も大きい。パソコンと連携させた編集の場合に、ホイール付きマウスをジョグダイヤルと同様に扱えるため、リモコンへのジョグ&シャトル非搭載は大きなハンデにはなっていない。

 ただし、RDシリーズを使いこなすには、DVDに関するそれなりの知識も必要だ。単にチャプターポイントを打ち、CMをカットして、チャプタースキップできるDVDを作りたいだけならば、これほどの機能は必要ない。「RD-X4/XS41」は、パソコンソフトのウィザードのような感覚で機能を使えるようになっているが、それでも機能や自由度が高すぎ、用語などの意味がわからないユーザーには使いこなせないという印象を与える(実際には、ビットレートの“ジャスト”機能などもあるため、一通りの手順を覚えれば大丈夫なのだが)。

 またパソコンを利用しなければEPG予約ができない点も、リモコンだけで手軽に操作したいユーザー層には受け入れにくい点かもしれない(RD-X4拡張キットのDEPG機能に期待したい)。その点、「DMR-E200H」は、RDシリーズほどのコダワリはないものの、間口が広い。デジタルカメラの画像管理機能など、用途の幅もあり、多くの人を満足させるかもしれない。

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松下「DMR-E200H」のEPGで番組情報を取得したところ。これで新聞を解約した人も多い、かも?

 だがそれでもなお、DVD作成にコダワリを持って望みたいならば、「RD-X4」が今回取り上げた機種の中では最善の選択だと考える。

手軽なタイムシフト視聴が目的なら

 見たい番組を録画しておき別の時間に見るタイムシフト視聴を主に、そのうちのいくつかはDVDに保存しておきたいライトユーザーには、ソニー「RDR-HX10」とNEC「AX-300」を推薦したい。学習機能がなく、EPGデータの品質に問題を感じるものの、自動録画機能があるとないでは、タイムシフト視聴の幅が大きく違ってくる。

 特にテレビ番組の放送予定チェックを頻繁に行えない忙しい人は、「RDR-HX10」以外の選択肢は考えにくい。全く知らなかった番組を自動録画で発見できる楽しさは、この機能がないレコーダーでは味わえないものだ。

 NEC「AX-300」は、レビュー記事では電源ファンの騒音についてネガティブな意見を述べたが、常にサーバモードで使わないのであれば、我慢できるレベルだ。試作機では「まだ変換時にノイズが乗るが改善される。また変換時間も変わる予定」との注意書きがあり、ハードウェアによるビットレート変換について評価は行えなかったが(実際、試作機でビットレート変換を行うと、ハッキリとわかる画質低下があった。NEC側でも現象を把握しており、製品版では改善が予定されている)、PVR的なテレビ視聴機能やレスポンスの良さ、EPGの使いやすさなどを含め、ハードウェア能力は申し分ない。多機能派には「AX-300」が適しているだろう。

 一方、もっとシンプルな使い勝手を求めるならば、「RDR-HX10」の方が魅力的だ。ハードディスク容量の割に実売価格が安い、下位モデルの「RDR-HX8」も併せて検討したい。ただし、「HQ+」モードで録画した映像を、2パスVBRと同様の仕組みで高品質に変換しながら記録するというコンセプトは、必ずしも高画質化に貢献していないように思う。

 仕組みからいえば、複雑度の高いシーンにおける画質や、単純なシーンにおけるビットレート効率で、「RDR-HX10」のダイナミックVBRが貢献するはずだが、変換後のビットレートは固定値からの選択となる。最初からDVDにぴったり収まるビットレートで録画された映像との画質差はあまりない。むしろSPではギリギリ入らない映像の時もあることを考えると、高画質で保存することが目的ならばマニュアルレートを選べる製品の方が良い結果となる。

 ユーザーインタフェースのシンプルさや簡素な編集機能などを考えれば、やはり「RDR-HX10」は、マニア層ではないライトユーザー向けに洗練度を高めた製品と評価する。

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「RDR-HX10」のインタフェース。シンプルで操作性が良い

 ここに挙げた2つのテーマ以外にも、評価の切り口はまだたくさんある。たとえばセルDVDの再生能力を重視するならば、単体DVDプレーヤー並の画質や機能を持つパイオニア「DVR-710H-S」、映像と音声の出力回路に凝った「RD-X4」が、最終候補として残る。

 少々残念なのは、ビクターの「DR-MH5」だ。DR-MH5のDVDレコーダー部はかなりデキがいい。レビューでも述べたように、LPモード時の解像度が他製品よりも高く、実用的な4時間録画ができる。マニュアルレート設定も工夫され、DVDに記録できる録画時間によってレート選択(5分刻み)できるのもユーザーフレンドリーだ。しかし、いかんせんHDDレコーダー部が優秀なDVDレコーダー部の品質に追いついていない。再エンコード必須の実時間録画でしか、HDDからDVDへのダビングができないというのもつらいところだ。

まとめ

 ハイブリッドレコーダーは、非常にPC的な家電だ。その機能はハードウェアにももちろん強く依存しているが、その中で動くソフトウェアの優劣が、製品の魅力に直結している(同時にソフトウェアの安定性や品質が、製品の品質に繋がっている面もある)。ではソフトウェアの優劣はどこから来るのだろうか?

 パソコン業界を見ればわかるように、ソフトウエア技術は何よりもノウハウの蓄積が品質や機能、使い勝手に直接的に繋がる。特に高機能を目指した製品ほど、その傾向が強い。松下と東芝、それにパイオニアは、昨年からのノウハウの蓄積を上手に製品に活かしているという印象だ。ソニーはシンプルな使い勝手と、「コクーン」での経験を持つが、高機能という点では、ある程度の割り切りをしている。NECはハイブリッドレコーダーの経験が浅く、DVD保存に関しては今ひとつだが、経験のあるHDDレコーダーとしてのデキは非常に良い。

 PCユーザーなら、PCユーザー的な視点で各ハイブリッドレコーダーを“ソフトウェア製品”として見ると、各製品の特徴も見えてくるだろう。今回の特集が、その一助になれば幸いだ。

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[本田雅一,ITmedia]



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