この連載は西松眞子著、書籍『仕事ができる人はなぜハンカチを2枚持っているのか?――1秒で相手の心をつかむ「気くばり」の習慣』(日本実業出版社)から抜粋、再編集したものです。
・靴を磨くときは、靴底まで磨く
・“ありがとう”より“うれしい”を口にする
・こだわりは語らない
・着る服は名刺として選ぶ
仕事ができる人は、上司や取引先、同僚、部下など、接する相手にさりげなく好印象を与える達人だったりします。その秘訣は「ちょっとした気くばり」にあります。
あいさつの仕方、持つアイテムのちがい、会話のチョイス……。ほんの小さなことの積み重ねが、相手の信頼を勝ち取り、結果としてほかの人と差がつくものです。
本書では、イメージコンサルタントの第一人者としてこれまで数多くのエグゼクティブ層を指導してきた著者が、「ワンランク上の気くばり」の身につけ方を教えます。
「どうすれば気くばりができる人になれるのか?」と質問されたら、私は「まずは、ハンカチを2枚持ってください」と言います。その理由は簡単です。ハンカチ1枚は当たり前のレベルだからです。身だしなみの域です。
また、2枚持っていても、単に自分のための予備では意味がありません。いつか会う誰かのため、必要な誰かにそっと差し出すため、つまり、自分ではない誰かのために、もう1枚ハンカチを持つのです。
こうした小さなことを習慣にするだけで、気くばりができる人として、まずあなたの意識が変わります。
偉そうなことをいっていますが、私もこのことを、ある人から気付かせてもらいました。
旅行中に、飲み物を膝にこぼして慌てていたとき、初対面の男性から「よかったら、どうぞ使ってください……」とさりげなく、きれいなハンカチを差し出していただいたのです。相手が女性ではなく、見た目が武骨な男性でしたので、より新鮮な感動でした。私と一緒にいた女性も、その様子に「すてきですよね」と感心していました。
こうして、わずかな触れ合いの機会もかけがえのないものとする「一期一会」を現実化したような素晴らしい「気くばり」に直に触れたことで、私は「気くばり」について深く考えるようになりました。そして、いつかこの人のように、スマートでさりげない振る舞いができる人になりたい、と思うようになったのです。
それからは「ハンカチを2枚持つ」ことは、「気くばり」を忘れないための大切なお守りとなっています。
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