だいたい、物事はやればやるほどその奥深さを知り、迷いが生じ、分からなくなってくるものである。分かったような顔をして、自分でデキルると言う人に限って「ナンチャッテ」であることが多い。面接も同じで、やればやるほど人間の深さや多様性に気づき、数十分で人を判断することなどできるはずがないと悟る。そうして、面接官とは正確な判断ができないのに合否をつけねばならない因果な仕事なのだと理解できたときに、応募者に対して謙虚になれる。だからせめて精一杯、質問力・対話力を磨こうとするが、それでも「見抜ける」ことは決してない。
「私はこれまで何千人の面接をしてきており、面接でその人を見抜くことができる」と言う人がいたら(いるが……)、その人を人事考課担当にして、例えばコンピテンシー面接とやらを全社員にやってもらえばよい。誰もが納得する評価、失敗のない人事異動、昇進・昇格を実現してくれるだろう。採用担当をしてもらったら、ミスマッチがなく、全員がすくすくと予想通りに育っていくはずだ。そんな神のような人がいるかどうか考えてみれば簡単な話である。面接なんかで人を見抜けるはずはないのだ。
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「尊敬する人物は親です」という答えが損な理由Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.
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