グリー、住宅分野に注力 500社超集まるリフォーム情報サイト「LIMIA」オープン

» 2015年11月05日 18時03分 公開
[山崎春奈ITmedia]

 グリーは11月5日、暮らし・住まい事業に特化した子会社「リミア」を設立し、新メディア「LIMIA」をオープンしたと発表した。500社以上の事業者、専門家によるリフォーム関連の記事や写真などで情報収集できる。オンラインリフォームEC「リノコ」も含め、同分野で年間売上高100億円を目指す。

photo LIMIA

 リフォームやリノベーション、インテリア、DIYなど、暮らし・住まいに関わる情報を広くカバー。リフォームを検討するユーザーは、プランの検討、価格比較、専門家への相談など、バーチャルなショールームや展示場のように活用できるという。

 同社がSNSでこれまで培ってきたノウハウを生かし、ユーザー同士の交流を促進するフォロー、コメント、評価などのコミュニティー機能にも力を入れる。暮らしの知恵やアイデア、最新トレンドを事業者、専門家、ユーザーそれぞれが発信していくイメージだ。

 「例えばハワイ風に内装をリフォームをしたいと思った時、ネットで個別に情報収集するのは大変。似たような雰囲気を目指した人の実例、得意な業者の事例をまとめて見られたら」――田中良和社長は、単なるメディアではなく、実際のアクションや交流につながることを意識していきたいと展望を話す。

photo 「アイデア」「フォト」などビジュアル中心のコンテンツ

新領域住まい・暮らし事業に注力、100億円目指す

 グリーは新事業領域として住まい・暮らし事業に注力しており、なかでも成長を続けるリフォーム市場に注目。2014年7月にオンラインリフォームEC「いえプラス」を開始し、翌年1月には同領域のサービス「リノコ」の運営会社セカイエを買収。6月に両サービスを統合し、新生「リノコ」として統合した。

photo 住まい事業の歩み

 リノコは、リフォームプランを商品、工事、保証のセット価格で示し、透明性を高めたパッケージ販売が好評といい、グリー傘下に入った後も成長を続け、現在年間売上高20億円程度の規模に成長しているという。売り上げは毎月増えており、今期は30億を見込む。

 田中社長は、新事業立ち上げ当初を振り返り、「『リフォームなんてネットで頼む?』と半信半疑だったが、昨年夏にオープンしてから予想以上の手応えがあった。思えば、出てきた当初は信じられなかったネット証券はもはや常識だし、『食べログ』『クックパッド』がない世界はもう想像できない。『そんなのみんなやる?』と思っていたものが当たり前になっていく過程にビジネスチャンスがあるのだと思う」と、この領域の今後の成長に意気込む。

 グリーの強みとして(1)ネットを通じた大規模マーケティングのノウハウ、(2)ゲーム運営で鍛えられた分析力と運営力、(3)数千万人規模のプラットフォーム運営――をあげ、まだデジタル化、EC化が比較的進んでいない不動産やリフォームの世界で存在感を高めていく狙いだ。

 「LIMIA」は早期に100万ユーザー獲得、住まい事業全体では2018年6月期に売り上げ100億円を目指す。

 「約20年、インターネットの世界に関わってきて、実生活と少し離れたハイテク分野から、より身近なもの、生活に根ざしたサービスが業界の中心になってきたことを感じる。既存の大きな市場をいかにネット化していくかを主眼に新事業に取り組んでいく」(田中社長)

photo (前列左から)サンゲツ マーケティング部 リフォーム事業推進室 岸本洋和室長、 東京ガスリモデリング 久保田順一取締役、 日比谷花壇 法人事業部部長 内藤純執行役員、 住友不動産 事業部門担当 副社長事務局 三野嘉久副社長補佐、(後列左から)セカイエ郄間舘紘平社長、 グリー田中良和会長兼社長、 グリー ライフイノベーション事業本部長 浅沼達平執行役員

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