経営者と経営学者の違い、B'zとAKBの違い(2/3 ページ)

» 2015年12月17日 11時15分 公開
[増沢隆太INSIGHT NOW!]
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日本の歌謡史上最高の絶対王者・AKB48

 オリコンによれば、AKB48のシングル総売上枚数は累計3615万枚で、それまでの最高記録だったB'zを抜き、国内全アーティストの歴代最高となったとのこと。また合わせて秋元康氏の作詞シングルの総売上も、史上最高の1億枚を突破したそうです。ということで、AKB48は日本史上最高の歌手であり、絶対王者ということでよろしいでしょうか。もちろん皮肉でいっています。

 経営における売上利益絶対主義も同じですが、それらを達成できなければ経営として認められないのは事実です。キレイごとではなく、経営数値的な絶対値が経営を評価します。しかし一方、コンプライアンスに反した手法でそれを達成しても、それは経営ではありません。密輸だの薬物だのの販売によって得られた金銭はそもそも売り上げではなく、ただの犯罪です。詐欺で得た収益も同じです。

 しかし文化や芸術も金ですべてなのでしょうか。私は商業主義を一切否定するものではありません。しかし聞きもしないCDを売った枚数で芸術の評価が決まるとなると、納得できません。AKB48と秋元氏をビジネスでの大成功者とすることに、一切異議はありません。しかし史上最高の歌手だと認めることには強い抵抗を感じます。B'zファンでも何でもありませんが、すくなくとも、それまでの売上トップだったB'zのCDは大量に捨てられたりはしていないはずです。評価されるべき基準は明確に違うものだといえます。

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