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» 2016年01月07日 08時00分 公開

世界を読み解くニュース・サロン:中国政府がいま最も恐れているのは、ネット上の「くまのプーさん」 (2/4)

[山田敏弘,ITmedia]

社会問題、政治、ポルノを中心に削除

検閲追跡サイト「ウェイボースコープ」を運営しているキングワ・フー准教授

 この研究を行っている香港大学ジャーナリズム・メディア学センターの研究チームは、「ウェイボースコープ」という検閲追跡サイトを運営している。そこで、登録者数が6億とも言われる中国版Twitterの微博(ウェイボー)で削除されるポストを記録する。

 著者の取材に、同サイトを運営するキングワ・フー准教授は、「ウェイボースコープは、人民の意見が当局によって規制されている中国におけるソーシャルメディアのデータを収集し、分析し、可視化するオンラインツールです。このプロジェクトにおける最大の目的は、削除されたマイクロブログを拾って削除された後も公にアクセスできるようにすることだ」と語る。検閲された事柄こそ重要な話であると考えているのだ。

 追跡方法は、定期的に、ウェイボーで1000人以上のフォロワーがいるマイクロブロガーの発言をサンプリングし、削除されるまでの時間とシェアされた回数を記録して計算する。その上で検閲リストを作っている。要するに、もっとも短い時間で削除され、もっともシェアの多いポストが、「もっとも検閲された」言葉または写真ということになる。

 同センターが2011年のスタートから2013年までに追跡してきたマイクロブロガーの数は35万人を超えている。ちなみに2012年だけを見ると、同センターは2億2600万ポストを記録し、そのうちの1090万ポストは削除されている(もちろんブロガー自ら削除している場合もあるが、中国では摘発を逃れて自己検閲するケースも多い)。

 2012年は1月から半年で、写真を含む1億1100万ポストが削除されている。トピック的には政治や社会問題、ポルノが多くを占めるという。削除されている言葉で当時多かったのは、汚職容疑で起訴された元重慶市トップの「薄熙来(ポーシーライ)」や、盲目の人権活動家である「陳光誠(ちんこうせい)」、さらには米国の「ゲイリー・ロック中国大使」といった単語だった。

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