「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」……だけど、タフであり続けることも、優しくあり続けることも、簡単ではない。
ほとんどの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。ニュースやデータからコンビニで何が起きているのかを、推理して、調査して報告します。筆者は大手コンビニの元本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
カレーショップ「CoCo壱番屋」(ココイチ)の廃棄されるはずのビーフカツ横流し問題を受け、食品廃棄に関するニュースが増えてきたように思う。毎日のように食品を廃棄しているコンビニ関係者にとっても気になるところだろう。この問題は、店舗が直接関与しているわけではなかったが、これからは廃棄業者の選定には気を付ける必要がある。
今回は、コンビニの食品廃棄の現状とその問題点について考察したい。
まず、コンビニの食品廃棄について説明しておこう。コンビニで廃棄処分となる商品の多くは、弁当やおにぎり、サンドイッチなどの日配商品郡だ。関係者の間でこれらは「デイリーフーズ」と呼ばれ、期限が近づいたら廃棄するというルールのもと販売期間が管理されている。コンビニは店舗ごとにゴミ回収業者と契約を交わしており、毎日処理されている。
最近では、恵方巻きの大量廃棄が問題になっていた。節分を終え、コンビニでは発注した恵方巻きが売れ残り、廃棄処分した。その一部の写真がネット上にアップされたこともあって非難の声が相次いだ。
また、廃棄ではなく、返品することもある。実際、店舗には何かしらの問題を含んだ商品がたまたま納品されることがある。製造ラインでの異物混入やクレームによる商品撤去などがそれにあたる。
例えば「弁当やパンの中に髪の毛が入っていた」といった異物混入は珍しくない。店内で製造、パッケージした商品でなければ製造元に返品することになっている。
少し前に話題になった「ペヤングソースやきそば」の異物混入問題のときは、店舗にある在庫全てをメーカーに返品した。いずれも、クレームの原因が店舗になければ製造元に返品する形をとっている。
以上のことから、廃棄商品の横流しは店舗レベルでの介入は考えられないといえる。廃棄食品の再販が明るみに出た以上、メーカーや製造工場の管理は一層厳しくなるだろう。特にゴミ回収業者の選定にも影響を与えるはずだ。同じようなことが起きないことを信じるしかない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング